東京芸術大学(東京都台東区、宮田亮平学長)は今年度から3年間、東京都台東区、同墨田区と共同で、芸術作品や芸術活動による隅田川周辺地域の地域づくりプロジェクトを展開する。プロジェクト名は「GTS(芸大・台東・墨田)観光アートプロジェクト」。大学院生らが制作した作品を街なかに配置したり、回遊型美術館やワークショップを開催したりして、芸術を使った街の活性化と観光エリア創出を目指す。
11月を目途に、周辺環境や鑑賞者などと一体化した芸術作品を制作、東京スカイツリーのビューポイントとなる場所に恒久的に設置する。各年度4作品、3カ年で12作品を設置する予定。併せて作品の試作模型の展示などを行ったり、アートベンチを制作、設置したりすることで、地元への芸術作品の浸透を図る。
10〜11月には台東区内の東本願寺から墨田区の東京スカイツリーまでの浅草、隅田川沿岸エリアに地域の歴史を感じさせる芸術作品を置いたり、ギャラリー展を開催したりする大規模な回遊美術館「隅田川ArtBridge2010」を開催。ガイドブックを作るなどして、市民や観光客に楽しんでもらう。
芸大はこれまでも、台東区の協力による「上野タウンアートミュージアム」や、JR東日本とJR常磐線沿線の市町との共同事業「JOBANアートライン」など、芸術を生かした街の活性化や広報活動に積極的に取り組んでおり、さまざまなノウハウを持つ。
2日会見した宮田亮平・東京芸術大学学長は、「パリと言えば、エッフェル塔と芸術家の街・モンマルトル。『アジアでは、東京スカイツリーと台東、墨田』と言われるような、芸術による街づくりを実現したい」と力強く意欲を語った。
同事業は文部科学省の支援事業。予算規模は初年度7800万円。
会見する宮田学長(右)と池田政治・美術学部長