観光庁が2月28日に発表した宿泊旅行統計調査の2019年の年間値(速報値)で、東北6県の外国人延べ宿泊者数が前年比21.0%増の155万7910人泊となり、政府目標の150万人泊を突破した。20年としていた目標年次を1年前倒しで達成した。
数値は、東日本大震災前との直接比較が可能な「従業者数10人以上」の宿泊施設における外国人延べ宿泊者数。
東北6県の外国人延べ宿泊者数は、震災前の2010年が50万5千人泊だったが、震災が起きた11年には18万4千人泊に落ち込んだ。15年には52万6千人泊となり、震災前の水準を回復。その後も右肩上がりで増加し、18年には128万7千人に達した。
19年の県別の外国人延べ宿泊者数は、青森県31万6千人泊▽岩手県28万7千人泊▽宮城県51万2千人泊▽秋田県10万9千人泊▽山形県16万6千人泊▽福島県16万7千人泊。
政府は、16年3月に決定した観光の中長期構想「明日の日本を支える観光ビジョン」で、20年に150万人泊とする目標を掲げていた。政府、自治体、観光団体、事業者などが連携したプロモーションや受け入れ態勢の整備で誘客を拡大した。
観光庁、日本政府観光局(JNTO)は、東京オリンピック・パラリンピックの機会を捉え、20年度に官民連携による東北観光復興キャンペーンを展開し、交通機関の運賃割引や特別な体験プログラムを提供する。復興支援への感謝と東北の魅力を世界に発信する。