東北観光博、宮古地区を拠点に追加


 観光庁をはじめ官民を挙げて東北への旅行需要を喚起しようと開催中のキャンペーン「東北観光博」で、8月から新たな取り組みが始まった。自治体の境界を越えた広域的な取り組みで集中的に旅行者を迎える観光博の拠点、観光ゾーンに「みやこゾーン」(岩手県宮古市など)が加わったほか、ポータルサイトから太平洋沿岸部の観光振興や復興への取り組みに関する情報の発信が強化された。

 みやこゾーンは岩手県の太平洋沿岸に位置し、浄土ヶ浜で有名な宮古市と、岩泉町、山田町で構成されている。東日本大震災時の津波で被害を受けた観光施設の復旧なども進み、旅行需要の回復が期待されている。

 観光情報の提供や東北の周遊を促すスタンプ帳の配布などを行う「旅のサロン」は宮古駅前総合観光案内所に設定。地域のおもてなしの拠点「旅の駅」には、日本3大鍾乳洞の1つ、龍泉洞(岩泉町)を定めた。

 東北観光博の観光ゾーンは、みやこゾーンの追加によって合計で29ゾーンになった。

 太平洋沿岸部の観光、復興の情報発信では、ポータルサイトで9エリアを紹介。岩手県が田野畑、釜石、大船渡・陸前高田の3エリア。宮城県が気仙沼、南三陸、石巻・女川・東松島、塩釜・多賀城、県南沿岸の5エリア。福島県が南相馬・新地の1エリア。

 紹介されている内容は、岩手県の田野畑エリアが津波被害の語り部ガイドプログラムや小型漁船「サッパ船」を使ったクルーズなど。宮城県の南三陸エリアでは、歌津地区に開設されている仮設商店街「伊里前福幸商店街」など。福島県の南相馬・新地エリアでは、80種のバラや太平洋の眺望が楽しめる「海の見えるガーデン花木山」など。情報は順次追加される予定。

 東北観光博は、国土交通相を委員長とする実行委員会が主催。今年3月にスタート。東北全体を博覧会場に見立て、観光振興を通じて震災からの復興を目指す。来年3月末まで。

 
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