19年レベルへの早期回復目指す
東北観光推進機構(松木茂会長=JR東日本東北総合サービス社長)は6日、ホテルメトロポリタン仙台で2022年度の通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では松木会長を再選したほか、専務理事の紺野純一氏を新設の理事長に選任。代表理事が松木会長と紺野理事長の2人体制になった。
松木会長は「5期中期計画の2年目としてウィズ・アフターコロナを見据えた『Base!TOHOKU』の促進などを通し、関係組織と一体となりコンテンツの造成・磨き上げや商流の構築に加えて、東北DCのレガシーを生かした広域での取り組み強化を図っていく。さらに『東北観光DMP(データーマネジメントプラットホーム)』『TOHOKU Fan Club』や教育旅行の誘致促進によって、コロナ禍で疲弊した地域経済の復興とSDGs(持続可能な開発目標)に沿った観光地域づくりを進め、『安心・安全な旅』の提供と情報発信に努める。今こそオール東北の団結が重要だ」と述べた。
22年度はウィズコロナ・アフターコロナに向けた「東北観光の問題解決」を基本方針に、具体的な数値目標は設けず2019年レベルへの早期回復を目指すことを目標とする。
主な事業内容は、東北観光を取り巻く環境・課題の解決に向け、昨年策定した5期中期計画にならい(1)新しい観光需要の創出(2)オール東北での観光地域づくり(3)持続可能な東北観光の実現(4)デジタルファーストの推進(5)受け入れ環境の整備促進(6)震災・自然災害からの再生―の六つの基本戦略を展開する。
総会後、観光による地域活性化に貢献のあった、裏磐梯観光活性化協議会(福島県北塩原村)、DMC天童温泉(山形県天童市)、田沢湖・角館観光協会(秋田県仙北市)の3団体が、「フェニックスアワード2021」の表彰を受けた。
来賓から、国土交通省東北運輸局の田中由紀局長が「観光の現状と東北の取り組み」と題して講演。宮城県の村井嘉浩知事、仙台市の郡和子市長、東北六県商工会議所連合会の鎌田宏会長、東北経済連合会の海輪誠会長らが出席した。
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新設の理事長職について松木会長が記者会見を開き説明した。松木氏は「インバウンド需要回復が見込まれ、その局面において観光を取り巻く環境変化に即応する必要がある」と強調。紺野理事長は「スピーディーな対応が急務であり、世界に通用する東北観光の実現を目指す。マーケティングについては公的統計データや自治体、東観推のウェブ・SNSのデータなど、国内旅行3800カ所などの動態データを組み合わせ、東北各県の関係機関と連携しながら、柔軟な戦略策定を進めていく」と所信を述べた。
新たな役員は次の通り(敬称略)。
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