東急のツギツギと交通4社、九州・沖縄の旅促進 オフピークを視野


プロジェクトのパネルを抱えてフォトセッションに臨む関係者

 ツギツギは、全国200以上の宿泊施設から好きな場所を選び定額で宿泊できるもの。1泊単位の宿泊に比べ、割安に宿泊できる料金体系と、多様な宿泊施設ネットワークを構築。平日や閑散期であってもツギツギユーザーが全国を周遊することで、オフピーク送客による宿泊施設の未稼働客室の利用促進などを担ってきた。

 今回のプロジェクトは、来年5月31日までにソラシドエア便を使い、九州・沖縄エリアを訪れてツギツギを利用した全ユーザーに、全国の対象施設で利用可能な1泊分の無料宿泊券を最大12泊分プレゼントする(毎月1回の申請が可能なため)。

 また、ソラシドエアとスターフライヤーの機内限定価格で販売するJR九州の「JR九州フリーきっぷ」と、ツギツギユーザーへ優待価格でニッポンレンタカーサービスを提供。より気軽な域内移動を可能とした。併せて、ツギツギの無料会員を対象に、九州・沖縄エリアにある名店の逸品グルメが毎月当たるプレゼントキャンペーンも実施する。

 ツギツギは同社の「社内起業家育成制度」から生まれたサービスで、昨年5月から正式に事業化された。有名ホテル、老舗温泉旅館、グランピング施設などがラインアップされ、6月時点の個人会員は8万5千人、法人プラン導入企業は50社以上となっている。正式な事業化以降、会員数は年6万人ペースで増加し黒字化を達成。27年度には会員数30万人、施設数千軒を目標に掲げている。

 同社ホテル・リゾート事業部・事業戦略グループ主査の川元一峰氏は、「新型コロナ禍以降、急速に観光需要が回復し、一部国・地域からはコロナ前を超える訪日客数を記録しているが、国内に目を向けると一部地域ではオーバーツーリズムが指摘されている」とした上で、「ツギツギの特徴である平日を中心とした『時の分散』と、交通ネットワークを軸とした『場所の分散』により混雑のない快適な旅を提供し、オフピーク旅を促進する」などと述べた。

 今回の会見で、同社はチャットGPTの技術を活用し、AI(人工知能)キャラクターが旅先や宿泊施設のおすすめを提案するAIコンシェルジュ「旅先こんしぇるじゅ」の新機能も紹介した。

 新機能はチャットGPTと楽曲生成AIを組み合わせた。ユーザーがAIコンシェルジュに旅の行程や思い出を話すと、その話に基づいたオリジナルの思い出ソングを提供する。


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