東急不動産と東急リゾーツ&ステイは13日、両社が開発・運営する「東急ハーヴェストクラブ」「東急ステイ」などのサービス業における人手不足に向けた取り組みの一環として、東急リゾーツ&ステイにおいて特定技能海外人材の多人数採用を開始したと発表した。生産年齢人口の減少やインバウンド需要の回復で人手不足が課題となる中、今回の特定技能海外人材の採用を皮切りに、海外人材の積極的な受け入れを推進する。
東急リゾーツ&ステイが運営する宿泊・観光業は、都市型の中長期宿泊施設「東急ステイ」に加え、主にリゾート地の会員制ホテル「東急ハーヴェストクラブ」などさまざまな宿泊施設を運営している。スキー場やゴルフ場なども全国に104施設を展開しており、これらは年間約700万人が利用している。一方、特にリゾート地は新たな採用を含めたサービス要員の確保が難化しており、中でも特に調理人材の人手不足傾向が課題となっていた。
このような課題に対し、宿泊施設の安定的な運営を図るため、特定技能人材紹介を手掛けるONODERA USER RUN(OUR、東京都千代田区)が運営する現地無償教育機関(OURミャンマーアカデミー、OURフィリピンアカデミー)の特定技能海外人材52人を採用。同社初となる多人数での特定技能海外人材の受け入れとなった。
今回採用する特定技能外国人52人のうち、7月30日に入国した30人は「東急ハーヴェストクラブ斑尾」(長野県信濃町)で約2カ月間の現場研修を実施。残りの22人は、2025年5月に入国し、就労を開始する。
研修内容は、約2週間で座学による日本文化理解の研修、その後の2週間で調理・ホール実技の研修、残りの約1カ月間で実際に現場でのOJT研修を実施する。現場の安定的な運営に寄与するだけでなく、多様性のある組織の実現に向けた架け橋としての役割が期待されており、現場研修に先駆け、受け入れ施設側もマインドセットを目的とした「文化理解研修」を実施する。
同社は、今回のミャンマー、フィリピンに限らず、今後は韓国や中国、台湾、インドネシア、インド、ネパールなどさまざまな外国人材の受け入れを積極的に進める方針としている。「今後は当社が求める人材像の解像度をより高め、OURの教育スキームに当社オリジナルの教育カリキュラムを組み込むことで、よりマッチした人材を育成する教育スキームの構築、運用を目指していく」(同社)。
OURフィリピンアカデミー視察の様子
8月5日に開かれた歓迎会(左)と研修の様子(右)