東武トップ、上毛電鉄沿線巡るツアー 群馬の新たな魅力発信


日本最古の車両「デハ101」

特別車両乗車や伝統工業見学

 東武トップツアーズは1月15、16の両日、群馬県前橋市、みどり市、桐生市内の上毛電気鉄道(前橋市)沿線エリアを巡るモニターツアーを実施した。同ツアーは、観光庁の既存観光拠点高付加価値化促進事業の一環として造成された。参加者は上毛電鉄の特別車両への乗車や各駅からの新型自転車での移動などを通し、同社沿線の観光資源や伝統的工業を見学し、群馬の新たな魅力を発見した。

「地元の足を観光の足にも」

 上毛電鉄上毛線と東武鉄道桐生線が乗り入れる赤城駅から大胡駅までは、昭和3年に製造され日本最古の車両といわれるデハ101で移動した。同車両内は昭和の面影を残すレイアウトで、同時期のレトロなポスターが車内に飾られるなど、昭和を大いに感じさせる空間となっており、現在はイベント時や貸し切り列車として稼働している。

日本最古の車両「デハ101」

 

 大胡電車区では、ツアー参加者が疑似車掌となり、実際の車両を運転体験した。「運転体験は、最初は少し難しいと感じるかもしれないが、多くの人がすぐ慣れて楽しんで下さる。貴重な機会なのでぜひ多くの方に体験していただきたい」と同社。同車庫の見学など、鉄道ファンも納得の体験内容となっている。

 上毛電鉄の古澤和秋社長は「当社の車両は住民の皆さまの足として愛されているが、観光用途としても大いに役立てるものだと考えている。県内外を含め、多くの人に当社沿線一帯の魅力を感じてほしい」と呼び掛けた。

運転体験

自転車を生かした各スポット巡り

 今ツアーで電車降車後の2次交通では、電動自転車が大きな役割を果たした。前橋市は「誰もが移動しやすい交通ネットワーク」の構築を目指し「MaeMaaS」と呼ばれる取り組みに注力しており、今ツアーの参加者はシティサイクルタイプの「cogbe」、スポーツサイクルタイプ「あかぎcogbe」の2種類の電動自転車に乗車した。

自動自転車と共に電車に乗車

 

 1日目はcogbeで前橋市内を移動し、芸術家、岡本太郎が創作した「太陽の鐘」、製糸工場の取水堰だったという「交水堰」、同市を代表する歴史的建造物「臨江閣」、江戸時代初期に創建された「前橋東照宮」、展望室からの眺望が美しい群馬県庁を巡った。

 2日目はあかぎcogbeを上毛電鉄の車両に載せて移動、各駅で降車し、名物の醤油(しょうゆ)ソフトクリームでも有名な老舗醤油蔵の「岡直三郎商店」、群馬郷土料理の一つ、ひもかわうどんを提供する「葛葉茶寮」、関東五大天神の一つにも数えられる「桐生天満宮」、レンガ造りの工場を改装した「ベーカリーカフェレンガ」、明治・大正期の旧宅を再生した木造建築「四辻の斎喜」などを巡った。

 最終訪問地の「桐生織物記念館」では、「織物の町・桐生」の歴史を学ぶ展示物を見学した。

醤油蔵を見学

前橋に出現した芸術的ホテル

 宿泊先の白井屋ホテル(前橋市)は、旧白井屋旅館をリノベーションした建物を中心とする施設で、2020年12月に開業。建築家の藤本壮介氏をはじめさまざまな芸術家が館内外の設計やレイアウトに携わり、各客室は全て異なるデザインを採用している。

 海外のデザイン賞を受賞するなど、唯一無二の滞在空間を提供する芸術的なホテルとして注目を集めている。食事には地元の食材を積極的に利用するなど、群馬ならではの味覚を感じられる料理提供にも注力している。

 矢村功社長は「地域の活性化を掲げてスタートし、地元の皆さんのほか、他県からの皆さんにも支持してもらえていると実感する。当館での滞在体験を通し、引き続き前橋に貢献していきたい」と思いを語った。

白井屋ホテルの館内

 
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