森トラスト(東京都港区、伊達美和子社長)はこのほど、神奈川県箱根町の老舗旅館「強羅環翠楼」を取得したと発表した。老朽化した施設の改修などを行い、「世界の旅行者を呼び込む高級宿泊施設を目指す」と意気込む。
同社によると、環翠楼は1921年に建てられた旧三菱財閥岩崎家別荘を継承して、49年に開業した高級老舗旅館。箱根登山鉄道の強羅駅に近く、約5千坪の敷地には日本古来の技法を駆使した広大な庭園「華清園」を配置。55年に昭和天皇・皇后両陛下がお泊りになった「錦華亭」=写真=をはじめ、2階建て14の客室がある。
ちなみに、錦華亭の宿泊料金(1泊2食付き、サービス料込み、消費税・入湯税別)は現在、2人利用の場合、平日1人3万5千円、休前日は4万円となっている。
当面は館名を変えず運営する。「将来的には、歴史を重ねた建築物や庭園の最適化を通じ、旅館の魅力を最大限に生かした、世界の富裕層が求める高級宿泊施設への再生を検討していく」としている。
強羅エリアでは、84年開業のリゾートホテル ラフォーレ強羅を2014年に「ラフォーレ倶楽部 箱根強羅 湯の棲」(44室)としてリニューアルオープン、また、14年に取得した「箱根強羅温泉 静峰閣 照本」についても高級宿泊施設として再生する計画を進めており、20年頃の開業を見込んでいる。