正社員採用予定、5年連続6割超え 規模により格差も


 帝国データバンクはこのほど、雇用動向に関する企業の意識調査を行った。2019年度に正社員の採用予定があるとした企業は64.2%で、5年連続で6割を超えるなど、依然高水準となっている。このうち大企業は調査以来最高、中小企業は前年調査を下回るなど、規模により格差が表れている。

 調査は今年2月15~28日、全国2万3031社に実施。このうち9701社が回答した。

 正社員採用について、「予定がある」が64.2%、「予定はない」が24.4%、「分からない」が11.3%だった。前年2月の調査に比べ、予定がある企業は1.7ポイント減と3年ぶりに減少。ただ、15年度から5年連続で6割を超えている。一方、予定がない企業は同0.9ポイント増加した。

 採用予定がある企業を規模別に見ると、大企業が84.8%で、調査を始めた05年以降で最高となった。半面、中小企業は59.1%で、前年調査から2.2ポイント低下した。「大企業の積極性が続く一方、中小企業の採用姿勢は高水準ながら一服した」(同社)。

 採用予定がある企業からは「人手不足もあるが、平均年齢の若返りも重要」「4月から新卒新入社員が入社することに伴い、ベテランのパート社員が定年退職する」と、人手不足が深刻化する中、若手従業員の採用で年齢構成をバランス化するなどの回答が多く見られた。

 一方、非正社員の採用状況は、「予定がある」が50.3%、「予定はない」が36.3%、「分からない」が13.4%だった。予定がある企業は前年比2.1ポイント減で、「採用意欲がやや一服した」(同社)。ただ、非正社員が不足する飲食店、飲食料品小売はそれぞれ9割、8割を超えるなど、採用意欲の高い業種もある。

 19年度の正社員比率を18年度と比較して、「上昇する」(見込みを含む)とした企業は18.3%で、「低下する」(6.1%)を12.2ポイント上回った。

 上昇要因(複数回答)は「業容拡大への対応」が45.8%、「退職による欠員の補充」が37.8%、「技術承継などを目的とした正社員雇用の増加」が30.5%などとなっている。

 
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