認定都市数は計81市町に
農林水産、文部科学、国土交通の3省は3月24日、愛知県津島市、新潟県佐渡市、長崎市が作成した「歴史的風致維持向上計画」を認定した。認定により、建造物の保全や祭事継承のための交付金や特例措置が受けられるようになる。
同計画は、歴史的建造物や伝統的な人々の活動からなる歴史的風致を維持・向上させ、後世に継承するために市町村が作成。「地域における歴史的風致維持及び向上に関する法律」(歴史まちづくり法)に基づき、国が認定する。今回の認定で、認定都市数は81市町に。
津島市の計画は、国指定の重要文化財「津島神社本殿・楼門」およびその周辺地域と、約600年続く尾張津島天王祭、津島駅西地区の山車祭や石採祭(いしどりまつり)、および茶の湯文化からなる歴史的風致の維持向上を図る。
市は認定を受け、旧津島信用金庫本店など歴史建造物の保存・活用や山車が巡行する道路整備などに努める。
佐渡市の計画は、国指定重文「旧佐渡鉱山採鉱施設」や国指定の史跡「佐渡金銀山遺跡」と周辺の鉱山町一帯、善知鳥(うとう)神社祭礼や鉱山祭で披露される伝統芸能、無明異焼(むみょういやき)の製造・販売からなる歴史的風致の維持向上を図るのが目的。
公有化した旧深見家住宅などの保存修理、歴史的建造物を回遊するための道路の美装化、相川音頭を踊る宵之舞(よいのまい)の運営支援などを行う予定。
長崎市は国宝の「大浦天主堂」や重文の「旧グラバー住宅」、長崎市南山手重要伝統的建造物群保存地区とその周辺地域、長崎居留地まつりや大浦諏訪神社の大浦くんちなどの歴史的風致の維持向上を図るため、旧グラバー住宅をはじめとする歴史的建造物の保存修理、ライトアップなどを手掛ける計画。
津島市の尾張津島天王祭(宵祭)