法令順守、地域貢献に注力 エアビー、民泊新法1年で強調


ブレチャージク共同創業者兼CSO(右)と、日本法人の田邉社長(記者発表会で)

イベント民泊活用、訪日促進など

 世界最大手の民泊仲介サイト、エアビーアンドビー(エアビー)は6日、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行1年を踏まえ、記者説明会を東京都内で開いた。来日した同社の共同創業者兼CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)のネイサン・ブレチャージク氏が経営戦略などを説明。日本の法令を順守した民泊の健全な発展を通じて、地域活性化に貢献する姿勢を強調した。

 ブレチャージク氏は「日本の新しい法律をホストが順守できるよう常に新しいリソース、パートナーシップに投資している。日本のコミュニティにおける利益をシェアリングエコノミーで培っていく」として、大型イベント開催時の地域での宿泊先の確保、インバウンド送客などによる地域活性化、全国850万戸といわれる空き家対策などに貢献したい考えを示した。

 同社によると、エアビーサイトへの日本国内の登録部屋数(宿泊可能部屋数)は5月31日時点で約7万3千室。内訳はいわゆる民泊などが約5万室、旅館・ホテルが約2万3千室。エアビーを利用した外国人、日本人を合わせた日本国内の旅行者数は、2017年2月~18年2月の1年間で約580万人という。

 また、民泊などの新しいホームシェアの創出に連携して取り組む「エアビーアンドビー・パートナーズ」の参画企業は、日本国内で117社に上っている。内訳は物件開発などで64社、運用などで49社、送客などで4社。みずほ銀行、JR四国、パナソニックホームズ、全日本空輸などが参画している。

 大型イベントなどを控えた地域との連携では、宿泊先の確保、経済効果の拡大に向け、「イベント民泊」などを活用。ラグビーワールドカップ2019の試合開催地の一つの釜石市(岩手県)、レッドブル・エアレース千葉2019や東京ゲームショウ2019などが開かれる千葉市、熊本地震からの復興に向けたイベントが相次ぐ熊本県への支援を強化。大分県の農村民泊などのプロモーションにも力を入れる。

 記者からは、民泊新法施行1年を踏まえ、法令、条例の現状に対する認識を問う質問も出たが、日本法人、エアビーアンドビー・ジャパンの田邉泰之社長は「改善などを求めるのは時期尚早」「地域に合った成長、地域に合ったペースで成長することが重要」と述べ、地域との連携を重視する考えを示した。

ブレチャージク共同創業者兼CSO(右)と、日本法人の田邉社長(記者発表会で)

 
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