能登半島地震から34日目に、能登有料道路の横田インターチェンジ(IC)から穴水ICまでの復休工事が完成、4月27日全線開通した。地元輪島の旅館・ホテルや朝市、観光施設関係者は「これで復興に拍車がかかる」と大きな期待を寄せている。「元気です、能登半島輪島」ののぼりがはためく町の表情を現地レポートする。
ゴールデンウイーク(GW)前の4月27日、JRで和倉駅に下車。車で和倉温泉街を一巡したが、すでにほとんどの旅館は平常通り営業している(加賀屋は翌日から営業再開)。その後、全線開通した能登有料道路の徳岡大津ICから穴水ICまで走行。舗装した道路に震災のつめ跡が多少残るが、走行に支障はなく、車の通行量も多い。
地震で被害の大きかった門前町だが、朝市などのある輪島の中心街までは車で約35分離れており、距離が離れていることをあえて強調したい。
輪島の中心街に入ると「元気です、能登半島 輪島」ののぼり旗が道端になびく。輪島の中心街はテレビで流される震災の印象とは違い、住民の表情も明るく、朝市も活気を見せている。旅館・ホテル、観光施設なども以前とは変わらないほどだ。
地元では風評被害の影響も見られたが観光客も増加し、「新規の宿泊客の申し込みもある」と旅館関係者は言う。
翌28日は、朝市に向かう。約350メートルの朝市通りに、約200軒の露店が出ており、ちょうど台湾人観光客150人を乗せた2台の観光バスが訪れていた。町は帰省客や観光客などでにぎわい、朝市の中ほどにあるイナチュ王朝美術館も平常通り営業している。
輪島温泉観光旅館共同組合の的場明司組合長(高州園社長)は「震災後3日目には地元旅館が市民にお風呂を無料開放し大変喜ばれた。15軒あるすべての旅館は平常営業を行っている。能登有料道路がGW前に開通した意義は大きい。大型観光バスの片道無料など、県や市が復興にかける意気込みも強かった。当初はキャンセルも出たが、4月11日から朝市も再開し、連休を控え、新規の個人予約などが入っている」と喜ぶ。
復興キャンペーンも4月28日から始まっており、「元気な輪島へ来てもらうことが何よりの支援になる」と的場組合長は語った。
にぎわいを取り戻した輪島の朝市