気象庁は8月30日、群馬県と長野県の境にある浅間山=写真=の噴火警戒レベルを「2」(火口周辺規制)から、「1」(活火山であることに留意)に引き下げたと発表した。浅間山の噴火警戒レベルが1になるのは約3年ぶり。
同庁は、「火口から500メートルを超える範囲に影響を及ぼす噴火の可能性は低くなった」(地震火山部)と判断した。ただ、火口から500メートルの範囲に影響を及ぼす程度のごく小規模な噴火の可能性があることから、引き続き、火山灰噴出や火山ガスに注意するよう呼び掛けている。
レベル引き下げを受け、長野県小諸市は登山規制を緩和。浅間山への登山道は黒斑と火山館の二つのコースがあるが、ともに賽の河原から前掛山(2524メートル)まで登れるようにした。
小泉俊博市長は同日、「レベル2では山頂火口からおおむね2キロまでしか登山できなかったが、1になったことでおおむね500メートル、前掛山の山頂までの登山が可能になった。雄大な浅間山の景観は小諸の大切な観光資源。この機会に多くの皆さまにお越しいただき、大自然を満喫いただければと思う」とのコメントを発表した。
浅間山周辺は災害対策基本法に基づく「警戒区域」として、山頂火口から4キロ以内は立ち入り禁止区域となっている。ただし、噴火警戒レベルに応じ、登山道のみ立ち入りが認められている。