反動減は約半数で発生
帝国データバンクはこのほど、今年10月の消費税増税による駆け込み需要と、需要の反動減に関する企業の意識調査を行った。駆け込み需要について、「あった」とする企業割合は26.5%。駆け込み需要があった企業で、需要の反動減が「ある」とした企業が49.4%と半数近くに上った。業界別では、駆け込み需要、需要の反動減とも、サービス業が低い割合、小売が高い割合となっている。
消費税率が8%から10%に上がる直前に商品などを購入する駆け込み需要について、「あった」が26.5%、「なかった」が66.7%、「分からない」が6.8%だった。駆け込み需要が生じた時期は、「9月ごろから」が12.3%と最も多かった。
駆け込み需要があった企業を10の業界別に見ると、「家具類小売」や「家電・情報機器小売」などの「小売」が58.7%と最多。以下、「卸売」(34.9%)、「運輸・倉庫」(27.8%)、「建設」(27.1%)が続く。「サービス」は18.4%と、「農・林・水産」(13.5%)、「不動産」(16.2%)、「その他」(16.7%)に次いで4番目に低かった。
企業からは「これまでの消費税率との差が2%なので、大きな買い物でなければ駆け込み需要はなく、前回の引き上げのような変化は感じられなかった」「消費税率10%について、事前に取り組む方針を顧客に展開できたので、駆け込み需要などなく計画的に移行できた」などの声が上がっている。
一方、消費税率引き上げ後の需要の反動減を聞いたところ、10月時点で「ある」が19.4%、「ない」が55.3%、「分からない」が25.2%だった。反動減がある企業を業種別に見ると、小売が53.9%と突出して多かった。サービスは13.1%にとどまった。
反動減について、駆け込み需要があった企業のみで見ると、「ある」が49.4%、「ない」が31.9%、「分からない」が18.6%。反動減がある企業が半数近くに上る一方、ない企業もおよそ3社に1社に上った。
企業からは「消費税率が10%の対象となる商品は駆け込み需要が見られたが、軽減税率や還元制度があるため、現時点ではあまり影響はない」との声が上がっている。