湯村温泉旅館協同組合(甲府市)と昇仙峡観光協会(同)、JTB(東京都品川区)の3者は、湯村温泉と昇仙峡の再開発を目的として「甲府観光開発」を昨年12月に共同で設立し、1月20日に常磐ホテル(甲府市)で会見を行った。「浴衣でそぞろ歩きができる温泉街」の復活を目指し、同域内の整備、改修などを含む今後の再開発プランを明らかにした。
同温泉は約1200年前に弘法大師が開き、武田信玄の「隠し湯」と伝えられ、太宰治や井伏鱒二などの著名な文豪が執筆で訪れたことでも知られる。昭和30年には40軒ほどの旅館が軒を連ねていたが、現在は10軒へと減少。かつての浴衣でそぞろ歩きができる温泉街の復活を目指し、3者が出資し、昨年12月に甲府観光開発を設立した。常磐ホテル社長で湯村温泉旅館協同組合の笹本健次理事長=写真=は「各地の温泉地には、長い衰退期から抜け出し、魅力的に変貌しているところも多い。湯村温泉や昇仙峡をかつてのようなにぎわいのある地にしたい」と力強く語った。昨年5月、同温泉を「信玄の湯 湯村温泉」に改称し、知名度、認知度のより一層の向上を図るなど、復活に向けた改革が続く。
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