
温泉旅館「Sen yugawara」の入り口で宿泊客を出迎えるスタッフ
「高付加価値化で客単価上げた先進事例」

神奈川県足柄下郡湯河原町は県の西南端に位置し、静岡県熱海市に隣接する。横浜から60キロメートル、東京から90キロメートルの距離にあり、箱根町と並ぶ温泉観光地として、古くから知られている。7月12日、温泉旅館「Sen yugawara」(湯河原町宮上517)がオープンする。近くを流れる千歳川など「水」をテーマにした館内で、地下250メートルから湧き出る自家源泉の温泉や、地元産食材を楽しんでもらうことをコンセプトにしている。ただ、もう一つの顔も持つ。官民ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC)や地域金融機関などによる「旅館統合プラットフォーム」によって再生された旅館であるという側面だ。旧亀屋旅館は1885年(明治18年)に創業した家族経営の老舗だったが、「債務過多の衰退旅館」という状態にあった。コロナ禍を経て旅行者の客足が回復傾向にあるなか、湯河原町では「高付加価値化で客単価を上げた先進事例」(観光課)として、地域への波及効果を期待している。【記事提供:ニッキン】
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