静岡県・熱海温泉の老舗温泉旅館「古屋旅館」を運営する古屋旅館(内田宗一郎代表)はこのほど、熱海市内に2カ所の社員寮を開設した。同社が取り組んでいる働きやすい環境づくりの一環で、従業員満足度向上と新卒採用の強化、離職率の低減を目指す。
1806年創業の古屋旅館では、宿泊業界における労働力不足に着目し、従業員が働きやすい職場環境づくりに取り組んでいる。これまで、同館に隣接する「デザイナーズ女子寮」の新設や、従業員間のコミュニケーションを円滑に行う「クラウド型ビジネスチャットツール」、従業員のデジタル教育を推進する「オンライン英語学習システム」の導入などを実践してきた。
今回は、新たに社員寮「坂の上アパートメント」「観月堂寮」を新設。
「坂の上アパートメント」は、古屋旅館の前にある自社ビルを改装。家具や家電を備え付け、明るくスタイリッシュな室内が特徴となっている。今年4月には新卒社員が入寮した。
「観月堂寮」は、熱海駅から徒歩3分、古屋旅館から徒歩7分に立地する自社ビルを改装。40平方メートルの広さを擁し、白を基調としたシンプルで明るい室内となった。先行してこちらも4月に新卒男性1人が入寮。8月には新たに2部屋が完成し、本格開設に至っている。
同館は2020年7月にも女子寮「蔵アパートメント熱海」を開設している。これを皮切りに社員寮拡充を進めてきた同社は、新卒離職率8・3%を実現した(12人入社、1人退職。試用期間従事者は除く)。
「今後も、社員寮の整備や生活環境の改善、デジタルツールの導入などを通して、働きやすい職場作りを推進していく」(同社)。
「坂の上アパートメント」(上)と「観月堂寮」の室内