熱海温泉ホテル旅館協同組合(静岡県熱海市)は、施設から出るすべての紙ごみを回収、リサイクルする資源循環プロジェクトに取り組んでいる。割り箸袋や古くなったパンフレットなど、これまで可燃ごみとして処理してきたすべての古紙を回収して、トイレットペーパーにリサイクルする。2日には取り組みをアピールするPR事業を始めた。組合では環境問題への貢献や、温泉地のイメージアップが図れるとして、同プロジェクトに力を入れる。
組合ではこれまで、使用済みの割り箸を回収、リサイクルする事業を10年以上続けてきたが、「あらゆる紙をリサイクルしよう」と、取り組みを拡大。富士常葉大学の松田美夜子元教授、大久保あかね准教授をプロジェクトチームに迎え、昨年9月から本格的に推進している。
旅館・ホテルで出る箸袋や料理の敷き紙、古いパンフレット、牛乳パック、紙コップなど、あらゆる紙資源を持ち寄り、地元の静岡県の製紙会社に回収してもらう。旅館・ホテルは製紙会社から、ごみの分量に応じた数のトイレットペーパーを受け取り、施設で利用する。
リサイクル活動のPR事業として、同温泉オリジナルのトイレットペーパーの巻紙(包装紙)デザインコンテストをこのほど始めた。3月2日から6月10日まで、巻紙のデザインとネーミングを公募。優秀作にはペア宿泊券やトイレットペーパー1年分を贈る。審査発表は7月上旬の予定。優秀作は同温泉オリジナルのトイレットペーパー巻紙として採用。完成した巻紙は同市の障害者福祉作業所でトイレットペーパーに巻かれ、旅館・ホテルに納められる。
組合では「環境、観光、福祉のコラボ事業。回収の取り組みは旅館・ホテルほか、一般の市民の中でも広がっていけば」と話している。