人手不足が深刻 見込み数が再設定 政府が方針決定
人手不足を補う外国人就労の在留資格「特定技能」について、政府は3月29日の閣議で、制度運用の基本方針、分野別運用方針の変更を決定した。特定技能1号の受け入れ上限となる受け入れ見込み数は2024年度からの5年間で、現行枠の約2.4倍となる82万人に増やした。このうち宿泊分野の受け入れ見込み数は2万3千人に設定した。また、対象業種に自動車運送業などの4分野を追加し、16分野に拡大した。
特定技能制度は2019年4月にスタート。生産性向上や国内人材の確保に取り組んでも、人手不足を補うことができない困難な状況にある産業分野に限って、一定の専門性・技能や日本語能力を備え、即戦力となる外国人を受け入れる。特定技能1号の在留期間は最大で5年。家族の帯同は認められない。さらに熟練した技能が認められた特定技能2号については、在留期間の更新回数に制限はなく、事実上、上限なく在留でき、要件を満たせば、家族の帯同も可能となる。
基本方針に基づく分野別運用方針には、5年間の分野別の受け入れ見込み数が設定され、特定技能1号の受け入れの上限として運用される。制度開始時の見込み数は、12分野で34万5150人だったが、各分野の人数が再設定され、24年度からの受け入れ見込み数は16分野で82万人に拡大された。特定技能1号の在留者数(速報値)は23年12月末時点で20万8425人となっている。
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