特許庁は6日、「全国地域ブランド総選挙」の決勝戦を行い、地区代表決定戦を勝ち抜いた9チームから最優秀賞に「西尾の抹茶」(愛知県、西尾茶協働組合×名古屋大学等〈mountainTongaliプロジェクト〉)を選出した。
全国地域ブランド総選挙は、地域団体商標制度の活用を通じた地域ブランドの魅力のPRや地域経済の活性化を目的に17年度から開催。20年度は全国から15の団体・大学が参加した。
総選挙は地元の学生が地域団体商標権者などを取材し、地域商品やサービスの魅力をインスタグラム上で発信するとともに、今後の新商品や新ビジネスのアイデア、PR方策等を競い合うもの。決勝戦では、地域ブランドを活用した今後の商品展開、ビジネスアイデア、PRプランなどを各チームがプレゼンテーションを実施。有識者を含む審査員と、一般オンライン視聴者が各賞の受賞チームを決定した。
最優秀賞に選ばれた西尾の抹茶は、棚式覆下栽培という独自の栽培方法が最大の特徴。覆いで日光を適度に遮ることで、テアニンという成分を多く含み、リラックス効果が高まるといわれる。今後は、栄養、睡眠などを支援するeスポーツ向けのスーパーフードとして販売を検討する予定だ。受賞した学生からは「取材を通じて商品の良さを知った。今後も魅力を発信していきたい」と喜びの声が挙がった。
同庁の西垣淳子審査業務部長は「商品販売のウェブ化が進み、商品の模倣、ブランドの棄損などのケースが増えている。商標を取得することはビジネスを守ることにつながる。コロナ後の経済活動の正常化、強靭(きょうじん)化に向け、ブランドを活用してほしい」と話す。地域団体商標制度はブランドを活用した地域活性化のサポートを目的に15年前に創設。現在は約700件が登録されている。
受賞結果は次の通り(地域団体商標名、都道府県、学校名)。
最優秀賞・西尾の抹茶、愛知県、名古屋大学等(Tongaliプロジェクト)=プレゼン賞も受賞▽優秀発展賞・内藤とうがらし、東京都、学習院女子大学国際文化交流学部▽優秀発信賞・尼崎あんかけチャンポン、兵庫県、武庫川女子大学生活環境学部〈インスタ賞、PR動画賞も受賞〉▽優秀発掘賞・球磨焼酎、熊本県、熊本大学熊本創生推進機構▽全国地域ブランド総選挙実行委員長賞・戸島ぶり、愛媛県、宇和島水産高校水産食品科
最優秀賞に選ばれた「西尾の抹茶」チームのプレゼンテーション