JTB西日本は11月22日、琵琶湖疏水を巡る通船を観光船として67年ぶりに復活させると発表した。来年3月28日に運航を開始する。
琵琶湖汽船(大津市浜大津)と共同で、琵琶湖疏水沿線魅力創造協議会(事務局・京都市観光協会)から「琵琶湖疏水通船本格運航に係る運営業務」を受託した。
琵琶湖疏水は、琵琶湖の水を京都に引くために造られた人工運河。明治23年(1897年)に建設され、舟運や水力発電の活用などにより、明治維新後に衰退し始めた京都のまちを活性化させた。舟運は陸運の発達により昭和26年(1951年)に姿を消した。
運航期間は3月28日から11月28日までの82日間。運航区間は大津乗下船場(滋賀県大津市)から蹴上乗下船場(京都市)までの8・7キロ。途中の山科乗下船場(京都市)にも寄る。
下り便の大津発・蹴上着は1日5便で所要時間が約55分、上り便の蹴上発・大津着は1日4便で所要時間が約35分。大津・蹴上間の乗船料金(税込み)は平日が4千円、土日祝日が5千円で、桜や紅葉などの時期は8千円となっている。
運航船は、新規に造成された「めいじ」「へいせい」の2隻で、それぞれ全長7・5メートル、幅2・1メートル、総トン数2・2トン。最大搭載定員は操船者2人を含めて14人。船内では操船ガイドが琵琶湖疏水の歴史や由緒などを紹介する。
JTB西日本は今後、大津、山科、蹴上・岡崎周遊のウォーキングツアーやウェディングフォトプランの開発などにも着手し、琵琶湖疏水沿線の地域活性化に向けた取り組みを進めていく。