環境省は4日、東京都港区の浜松町コンベンションホールで、「全国温泉地サミット」と「チーム新・湯治全国大会」を開催した。温泉にゆかりのある首長やチームの関係者が参加、温泉地の振興、発展に向け、話し合った。
サミットは4回目、新・湯治全国大会は初の開催。主催者を代表して環境省の加藤鮎子大臣政務官があいさつした。
事例紹介では、兵庫県新温泉町の西村銀蔵町長と大分県竹田市の首藤勝次市長が温泉資源を生かした取り組みを紹介。
新温泉町は浜坂温泉、七釜温泉、湯村温泉などがある。今年春には役場に「おんせん♨天国室」を新たに設置。文字通り、温泉を活用して、まちを天国にしようという試みを始めた。
具体的には、街中でキャッシュレスで土産が買えるようにしたり、バイナリー発電を誘致したり、ふるさと納税返礼品に温泉を配達するなどだ。西村町長は「温泉でまちの未来を切り開く」と強い意欲を示した。
首藤市長は炭酸泉を生かした温泉療養や予防医療・自然治癒力を高める取り組み、ヘルスケアの推進などを説明した。
チーム新・湯治は温泉地を中心とした自治体、団体、企業などによる多様なネットワーク作りを目指した取り組みで、昨年発足。9月20日現在のチーム員は、地方自治体、観光協会・温泉協会、旅館・ホテルなど268件となっている。
全国大会ではチーム員の活動報告があり、ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構はONSEN・ガストロノミーウオーキングについて、18年度は25回開催し、約6300人が参加したと報告。19年度は7月現在で29カ所の開催が決まっているとした。
新・湯治の今後について同省は、暮らしや経済活動の中に温泉の持つ力を取り込んで
もらうためには、「働き方改革や休み方改革など社会の動きや国の施策と連動して進めることが重要」とした上で、(1)温泉地での企業活動(テレワーク、ワーケーションなど)を誘致するための手引きの作成や普及(2)新・湯治を体現するプログラムへのロゴマーク付与と、ロゴマーク付きプログラムを集約してPRするための仕組みづくりの構築―に取り組む考えを示した。
温泉地を抱える首長ら関係者が多数参加したサミット