環境省、温泉排水規制のあり方検討へ


 環境省は、温泉旅館からの排水に含まれるホウ素やフッ素の基準などについて話し合う「温泉排水規制に関する検討会」(座長、須藤隆一・東北大大学院客員教授)を設け、3日、東京都内で初会合を開いた。

 ホウ素、フッ素は大量に摂取すると人の健康を害する可能性があるとして、同省は01年に排水基準(排水1リットル当たりホウ素は10ミリグラム以下、フッ素は8ミリグラム以下)を定めた。しかし、除去技術が確立されていなかったこともあり、温泉を利用する旅館業は規制が緩やかな暫定基準(ホウ素は500ミリグラム以下、フッ素は15〜50ミリグラム)が適用されていた。

 暫定基準は3年ごとに延長されており、今年4月には3回目の延長が決まった。しかし、2013年6月には期限切れを迎えるため、同省は基準の扱いについて検討会を設け、検討することにした。

 検討会は、(1)温泉排水の規制の現状と課題(2)今後の排水規制のあり方──について話し合うが、検討会としては1年後をめどに意見書をとりまとめる方針で、「規制のあるべき方向性を見い出したい」(須藤座長)としている。

 なお、須藤氏以外の検討会委員は次の通り(敬称略)。

 秋葉道宏・国立保健医療科学院水道工学部長▽浅野直人・福岡大教授=座長代理▽大久保規子・大阪大大学院教授▽甘露寺康雄・中央温泉研究所常務理事▽辰巳憲司・産業技術総合研究所浄化機能促進研究グループリーダー▽布山裕一・日本温泉協会事務局長▽平沢泉・早大理工学術院教授▽藤田正憲・大阪大名誉教授▽真柄泰基・トキワ松学園理事長▽森川格・兵庫県水道課長▽森田昌敏・愛媛大教授

 
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