環境省は今年度の「省エネ照明デザインモデル事業」の対象企業として12社を選定、3日、同省で認定書の授与式を行った。旅館・ホテル業界から長崎稲佐山観光ホテル(長崎市)がモデル事業者に選ばれ、斉藤鉄夫環境相が小林秀顕専務に認定書を手渡した。
同事業は二酸化炭素(CO2)削減対策の一環。商業施設や店舗などの照明を、施設の特性に応じて照明器具の配置や光源の選び方を見直すことによって、優れた省エネ効果を達成する一方、魅力的な空間を創り出す省エネ照明のデザインを設計するのが狙い。
今年度は19の応募事業者の中から、審査委員会の審査を経て、12事業者を選んだ。3日の時点で6施設の工事が完成している。
稲佐山観光ホテルは、ロビーやホール照明の発光面を天井より低くすることで、少ないエネルギーで照明を確保するとともに、案内板やショーケースにLED(発光ダイオード)を導入することで、CO2の46%削減を目指す。7日にも竣工する。
斉藤環境相は「事業を通じて低炭素社会の照明のあり方を考えたい。省としてもこの試みが全国に普及するよう働きかけていく」と期待した。認定書を受け取った小林専務は「地方の中小企業が(モデル事業に)採用され、非常に嬉しい。微力だが、環境に配慮した取り組みを続けていきたい」と抱負を述べた。
モデル事業者にはこのほか、イトーヨーカ堂、サッポロライオン、ダイエー、日本マクドナルドなどが選ばれている。
齊藤環境相(左)と稲佐山観光ホテルの小林専務