日本政策金融公庫はこのほど、ホテル・旅館、飲食など生活衛生関係営業の雇用動向を調査した。パート、アルバイトを含む従業者の過不足感を聞いたところ、「不足」とした事業者割合は33.0%で、前年調査(27.2%)を5.8ポイント上回った。9の業種別では、ホテル・旅館業が51.8%と5割以上を占め、最も高い率となった。
調査は昨年12月上旬、生活衛生関係営業の景気動向等調査(昨年10〜12月期)の特別調査として行った。
1年前と比べた従業者数は、生活衛生業全体で「増加」が5.1%、「変わらない」が81.7%、「減少」が13.2%。
業種別では、ホテル・旅館が「増加」9.1%、「変わらない」75.0%、「減少」15.9%となっている。
従業者の過不足感は、生活衛生業全体で「不足」が33.0%、「適正」が62.3%、「過剰」が4.7%。
このうちホテル・旅館は「不足」51.8%、「適正」45.1%、「過剰」3.0%となった。
不足の割合はホテル・旅館業が最も高く、以下は映画館(42.6%)、飲食業(35.2%)、美容業(32.7%)などとなっている。
従業者の確保をめぐる環境は、生活衛生業全体で「確保しやすくなった」が1.6%、「変わらない」が65.8%、「確保しにくくなった」が32.6%。
このうちホテル・旅館業は「確保しやすくなった」が2.4%、「変わらない」が50.6%、「確保しにくくなった」が47.0%。確保しにくい率が9業種中最も高かった。
「新たに雇用した従業員の定着率を高めるために工夫していること」の、主な回答は次の通り。
「年2回、契約社員やパートも含めた全社員と面接を行い、経営者側と直接コミュニケーションをとっている。また、成果に応じて契約社員、パートにも全員に賞与を支給している」(ホテル・旅館業、高知県)。
「職場に意見箱を設置し、新入の従業員でも不満等を述べられるチャンスを提供して、職場環境の改善に配慮している」(食肉販売業、熊本県)。
「入社前に細かな点に関してもきちんと説明する。オーナーとして適正な評価をしてしっかりとビジョンや夢を具体的に語るように努めている」(美容業、宮城県)。