文化庁は19日、登録有形文化財として新たに132件の登録が文科大臣に答申されたと発表した。
- 今回の答申における主なもの(一部)
●旧摩耶観光ホテル(兵庫県神戸市)
摩耶山南麓中腹に建つもとホテル。L字形平面を持つ地下2階、地上2階建ての鉄筋コンクリート造で、四層の外観各階に水平連続庇(れんぞくびさし)をまわして曲面を強調し、大きな開口を開ける。内部の大ホールや大食堂は、コンクリートの大梁(おおばり)を表して大空間を分節し、舞台等の内装にアールデコ調意匠をみせる。かつての山上リゾート施設の有様を示す。
●屋久島灯台(鹿児島県熊毛郡屋久島町)
台湾の開発のため陸軍省が設置した台湾航路8灯台のうちの一基。設計は臨時台湾燈標建設部。屋久島北西の永田岬に位置し、煉瓦造(れんがぞう)の灯塔上部にバルコニーを廻(めぐ)らし、下部に扇形平面の附属舎をもつ。入口にペディメントと柱形を表し、附属舎とも軒に歯飾(はかざり)を飾る。現存する明治期灯台で最南部に位置し、峻険(しゅんけん)な要衝の景観に寄与している。
- 登録有形文化財(建造物)とは?
建造物、工芸品、彫刻、書跡、典籍、古文書、考古資料、歴史資料などの有形の文化的所産で、我が国にとって歴史上・芸術上・学術上価値の高いものを総称して「有形文化財」と呼んでいます。
このうち、建造物について国が登録するものが登録有形文化財(建造物)です。
平成8年10月1日に施行された文化財保護法の一部を改正する法律によって、保存及び活用についての措置が特に必要とされる文化財建造物を、文部科学大臣が文化財登録原簿に登録する「文化財登録制度」が導入されました。この登録制度は、近年の国土開発や都市計画の進展、生活様式の変化等により、社会的評価を受けるまもなく消滅の危機に晒されている多種多様かつ大量の近代等の文化財建造物を後世に幅広く継承していくために作られたものです。
届出制と指導・助言等を基本とする緩やかな保護措置を講じるもので、従来の指定制度(重要なものを厳選し、許可制等の強い規制と手厚い保護を行うもの)を補完します。
【参考URL】https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/
【パンフレット「建物を地域と文化に 登録有形文化財建造物制度の御案内」】
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/bunkazai_pamphlet_6_ver02.pdf