富士山の世界文化遺産登録が確実になったことを受け、富士山観光を手掛ける旅行業者が誘客に力を入れている。富士山の注目度は例年以上に高く、それを裏付けるように、富士登山や周遊ツアーの予約状況は好調だ。新商品や新サービスを投入して、さらなる誘客を図る会社もある。
JR東日本と富士急行グループは来月から、外国籍の訪日旅行者を対象に、都区内から富士急行線全線と富士急山梨バスの富士山駅、河口湖駅—富士山5合目間を自由に乗り降りできる「Mt.Fuji Round Trip Ticket」を販売する。
利用は7月1日から10月31日まで。価格は大人5500円、子ども2750円。2日間有効。JR東は「新宿駅から富士山5合目まで往復する場合、通常運賃と比べて約半額」とPRしている。
クラブツーリズムは16日、「夏の富士登山事前説明会」を開催した。当初予定よりも多い300人の参加申し込みがあったため、急きょ説明会の回数を増やしたという。
同社では、1回完結型の1泊2日、2泊3日の富士登山ツアーのほか、半年間全6回続くステップアップ型テーマ旅行ツアー「富士山に登り隊」も取り扱っている。「富士山に登り隊」はすでに今年度の募集を終えるなど、いずれのツアーも好調だという。
ウィラートラベルは先月から、外国人が安心して富士登山を楽しめるよう、英語が話せる添乗員が同行する新商品のツアーを同社英語サイトで販売している。登山用品のレンタルサービスも備えており、外国人が気軽に登山に参加できることを目玉にしている。
同社の日本人向けツアーも前年比2倍近い予約が入っている。外国人からの予約や問い合わせも増えているという。
はとバスは富士山関係の豊富なツアーがあることで知られるが、ツアーによっては満席の日が出るなど、利用客の出足は例年に比べて早い。