JTBは着地型体験プログラムへの取り組みを強化する。JTB関東(埼玉県さいたま市)は財団法人都市農山魚村交流活性化機構(東京都中央区)と業務提携。同機構内に7月、「着旅(ちゃくたび)事務局」を設置した。同事務局は08年3月をめどに専用ホームページを開設。品質の高い体験型プログラムを一般旅行者に紹介していく。
ホームページは開設時にプログラム200件、3年後に2千件の掲載をめざす。「生きた本物の情報を発信する」(長坂克巳・着旅事務局長)。また月間5千万ページビューのJTBホームページからもリンクする。
サイト運営は初め、プログラムを実施している施設や組織から掲載料を集めて行う。掲載料は施設紹介とプログラム3件まで年間5万円。プログラムの追加は1件ごとに1万5千円。将来的には着地型体験プログラムとしてJTBのパッケージ商品化も検討する。
国内旅行ダイナミックパッケージでの販売も視野に入れる。航空や宿泊などと体験型プログラムを利用者がJTBサイト上で自由に組み合わせて買える仕組みをつくる。
新サイトの掲載対象は、農林業体験、海・川・湖体験、漁業体験、食体験、エコ・自然体験、手作り体験、自然の中でスポーツ体験、文化・伝統芸能体験、健康・癒し体験など多岐にわたる。ただ「安心、安全、快適」(長坂事務局長)な施設を紹介するため、保険に入っているか、清潔であるか、緊急対応体制は整っているかなどの審査をした上で掲載する。JTBにとって「良質な体験プログラムのデータベースづくり」(同事務局長)の側面もあるようだ。
掲載可否の審査は、事務局が設けた基準に沿って「着旅マイスター」が行う。着旅マイスターには全国の町村おこしの現場で活躍中のグリーンツーリズムの専門家11人を選んだ。
着旅事務局は、着旅マイスターによる「地域活性化・施設運営全般に関する有料コンサルティング」も今後行っていく。
同事務局の要員は、JTB関東から1人、同機構から1人、NPO法人ふれあいまちむら興し塾から2人の合計4人。