温泉文化の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録に向けた機運が各地で高まりを見せる中、群馬県安中市の磯部温泉組合(田村光三組合長)は18日、さらなる機運醸成を図る温泉文化遺産シンポジウムをホテル磯部ガーデン(磯部温泉)で開催した。温泉マーク発祥の地とされる同温泉に観光関係者ら約100人が参集。登録運動の意義や、急増する「温泉ビギナー」に入浴方法やマナーを伝える温泉文化体験などについて議論を交わした。
パネルディスカッションの様子。左が熊倉氏。右から順にパネリストの櫻井氏、武井氏、中澤氏、樋口氏
シンポジウムの冒頭、高崎商科大学の熊倉浩靖特任教授は、「『温泉ビギナー』対策が温泉の無形文化遺産登録推進の大きな鍵になる」と主張し、温泉ビギナー向けの温泉文化体験を提起した。熊倉氏は「内湯とシャワー文化の普及、修学旅行での入浴体験の減少などにより、温泉文化の核心である入浴作法が壊れつつある。これにより国内外問わず温泉ビギナーが増加している」と指摘。顧客を受け入れる温泉地で人口減少や少子高齢化が進み、温泉文化の担い手が激減している点にも言及した。
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