福山観光コンベンション協会の一行が観光経済新聞社関西支局を訪れ、来年5月に開催する「観光鯛網」や世界バラ会議などのトピックを紹介した。来社したのは上田英夫専務理事、安原健二プロモーション・MICE推進マネージャー、川崎恭平主事=写真。
鞆の浦、仙酔島沖で例年開催している伝統漁法「鯛しばり網漁法」を再現したイベント「観光鯛網」を紹介。観光鯛網は1923年に始まり、戦争による中断をはさみつつも100年近く続く。近年は鯛網の担い手が不足し、漁法の伝承が危ぶまれていたが、コロナ禍後は地元の有志や福山市を応援したい人などによる「鞆の浦鯛網くらぶ」を募集。約30人の会員が有償で、漁法の習得だけでなく鯛網時の観光客のサポートなどを行い、観光交流の活性化と鯛網の伝承を後押ししている。
「漁師が減少する中、伝統技術を伝承する一員として、福山に思いがある人に参加してもらっている」と川崎主事。来年度は4月26、27、29日と5月3~6日の7日間開催予定。観覧料は大人が3300円(前売り券3千円)。「かつては団体客が多かったが、近年はほぼすべてが個人客で、関西からのお客さまも多い。美しい仙酔島を前に、船団が桜鯛を取る勇壮な光景をぜひ体験してほしい」と安原マネージャーはアピールした。
同市は今年、国際会議観光都市として観光庁に認定を受けるなどMICEの誘致にも力を入れる。来年には「第20回世界バラ会議福山大会2025」を5月18~24日に開催する。3年に1度、バラの研究者や生産者、愛好家など世界中のバラ関係者が一堂に会する国際会議で、日本では大阪に続く開催。
戦後復興期から街中にバラを植え始め、「ばらのまち福山」として取り組んできた同市。会議に合わせて、ばら公園のリニューアルや市民挙げてバラを育てて飾る取り組み、バラガイドの育成などを進めている。上田専務は「バラ会議に先立ち、旅行会社のモニターツアーなども行い、好評だった。福山でのバラの鑑賞と合わせ広島各地をまわるデイツアーなどもある。ぜひ多くの方にお越しいただきたい」と語った。