宿泊業や外食業の次世代を担う若手が業界の課題解決へ提言する「ネクストリーダーズ」の発表会が10月23日、マリンメッセ福岡(福岡市)で開かれた。「宿泊・外食産業におけるマーケティングの再検討」をメインテーマに、8チーム41人が九州の観光活性化に向けた斬新なアイデアを発表した。
発表会は第6回「九州・沖縄 観光・宿泊外食産業展2024」(日本能率協会主催)のプログラムとして開催された。
審査の結果、最優秀賞に輝いたのは泰泉閣、リーガロイヤル広島、いぶすき秀水園、都ホテル博多、JR九州ホテルズアンドリゾーツのメンバーで成るチーム「ホー・プ」。「九州は、もう荷物で疲れない―Luggage Managemen―」をテーマに、訪日客の持つ大きな荷物という課題に着目。手ぶら観光を促進するための具体的な施策を提案した。
発表では、既存の手ぶら観光サービスの認知度向上やインフルエンサーの活用、各サービス間のシームレスな連携強化など、多角的な視点から解決策を提示。審査員からは、「若者ならではの視点で、宿泊施設にとどまらず、九州観光全体の問題点を捉え、具体的なソリューションを示した点が評価された」との声が挙がった。
優秀賞には「欧米豪を九州に呼び込むマーケティング戦略」をテーマにしたチーム「KN STAR」、「訪日外国人に向けた地域食材を活用したマーケティング」をテーマにしたチーム「それいけ!ホテルマン」が選ばれた。
ネクストリーダーズは今年から開催。札幌、東京、大阪、福岡の4都市で開催され、各会場で最優秀賞に選ばれたチームは、来年2月に東京で開催される国際ホテル・レストラン・ショー(HCJ)の場でも提言を発表する。東洋大国際観光学部准教授の徳江順一郎氏が総合ファシリテーター兼審査委員長を務めている。
総評で徳江氏は、「九州の観光をテーマに、斬新かつ実現性の高いアイデアが数多く発表された。これらのアイデアを、行政や業界関係者と連携し、実現に向けてのアクションに期待したい」と述べ、若手たちの熱意を称えた。
次回第2回ネクストリーダーズの開催も決定。2025年9月17~18日に実施する。
徳江氏以外の審査員は高橋逸平(梅光学院大国際学部副学部長)、相原昌一郎(新井旅館代表取締役)、挽田善一(C&G Value Design担当役員)、得田秀範(城山観光副総支配人)の各氏。
最優秀賞に輝いたホー・プのメンバー