福島県の首都圏における情報発信拠点「にほんばしふくしま館 MIDETTE」が12日、東京・日本橋にオープンした。同日のオープニングセレモニーには福島市出身の女優、白羽ゆりさんも駆けつけ華を添えた。福島の観光や特産品などのPRのほか、原発事故による風評被害の払拭の役目を担う。
愛称のMIDETTE(ミデッテ)は「見てね、来てみてね」といった誘いの気持ちを方言的に表現したもの。場所は東京メトロ銀座線の三越駅から歩いて3分、JR新日本橋駅から歩いて1分の距離。
オープニングセレモニーであいさつした佐藤雄平知事は「東京の一等地にオープンでき、こんなうれしいことはない。多くの人に来てもらうことが復興につながる」と力を込めた。また、親戚が避難生活をしているという白羽さんは「東京から(福島の)情報を発信できることは地元の応援になり、励みになる」として、ふくしま館の活動に期待を寄せた。
セレモニーには松島みどり経済産業副大臣、浜田昌良復興副大臣、久保成人観光庁長官らも出席し、くす玉を割り、オープンを祝った。
県のアンテナショップは東京・八重洲に「八重洲観光交流館」があるが、ミデッテの面積は455平方メートルで、うち物販面積が209平方メートルと広いのが特徴。食品約2100点、工芸品など約400点を取り扱っており、「品ぞろえの充実が自慢」と関係者は胸を張る。
飲食・交流コーナーも設けられ、県内の郷土料理やB級グルメなどが味わえる。オープン初日はB—グランプリでゴールドグランプリを獲得した浪江焼きそばが出展、自慢の一品に腕を振るっていた。
また、「ふくしまの今コーナー」では各地の観・イベント情報の発信のほか、観光パンフレットを置いたり、県内で進む復興に向けた取り組みを紹介している。
開店前には長蛇の列ができた。アスパラガスを手にした豊島区の女性(71)は「福島産の野菜には全く心配していない。非常に気を使って生産されていると思う。今後も機会があれば訪れ、買い物をしたい。また福島の温泉にも行ってみたい」と顔をほころばせた。
くす玉を割ってオープンを祝う佐藤知事(右から3人目)。左端は白羽さん