福島県観光物産交流協会は、県外の大学、高校、中学校が福島県内で合宿を行った場合、最大30万円の助成金を交付している。東日本大震災の影響で大きく減少した教育旅行需要を取り戻すのが狙い。4月から交付を始めたが、まだ申請件数が少なく、学校や旅行会社などに交付金の利用を呼び掛けている。
福島県への観光旅行は徐々に回復しつつあり、震災前のおよそ8割まで戻ってきた。だが、「教育旅行に限って言えばいまだ3割程度」(岩渕豪・観光部国内誘客推進課兼教育旅行推進課副主任)というのが実情だ。そこで教育旅行の呼び水として「平成26年度福島県合宿誘致・交流促進事業助成金」を設けた。
助成要件は、福島県外の大学、高校、中学校の部、サークルなどが県内の文化施設、スポーツ施設などを合宿で利用すること。県内の宿泊施設に連続して2泊以上、かつ、延べ宿泊者数が100人泊以上。また、福島県の合宿の魅力を紹介する動画をインターネットを通じて配信すること。
助成金額は、交通助成金として合宿団体所在地から宿泊施設までの距離に応じて2万〜5万円。宿泊助成金として延べ宿泊者数1泊当たり千円、最大15万円。さらに県内観光施設を利用すると観光助成加算金として参加者1人当たり千円、最大10万円を助成する。合わせて最大30万円まで。
予算900万円を用意しているが、申請額はまだその3分の1程度にとどまっている。「合宿需要の高まるこれからの夏に申請が増えることを期待している」(岩渕主任)。
同協会では、教育旅行誘致セミナーも9月18日に実施し、教育旅行の呼び込みに力を入れる。セミナーでは、ソチ冬季五輪のモーグル代表で、チームリステル(福島県猪苗代湖町)所属の星野純子さんの講演などが予定されている。