福島県とJR東日本は2日、東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで、来年4月から開催するふくしまデスティネーションキャンペーン(福島DC)に向けた最後の説明会を行った。首都圏の旅行会社の社員ら約80人が出席。DCの事業や目玉となる特別企画などを発表した。
JR東日本鉄道事業本部営業部の高橋敦司次長は、あいさつで福島県の内堀雅雄知事の言葉を引用し、「福島県は風評と風化の二つの風にさらされている。DCで二つの風を打ち破りたい」と力強く述べ、「2011年の青森DCからスタートした東北DCの最後、福島DCを成功させることが東北の復興の成功であり、日本の観光を蘇らせるチャンス」と強調した。
福島県観光交流課は、DCに向けた取り組みと旅行会社支援制度について説明を行った。
プレDCでも行ったクーポン付き冊子を使ったポイントラリーを来年1月からDCに先駆けてスタートする。旅館や観光施設、飲食店など参加施設を千施設に拡大し、ポイントもたまりやすく設定した。ポイントに応じて千人以上に宿泊券などが当たる。
過去4回で延べ21万人が参加した宝探しイベントが3月20日から県内30エリアを使って再び開催される。今回は温泉街もエリアに入っているため、宿泊と組み合わせて謎解きを楽しんでもらうことを狙いとした。
旅行会社支援制度については、パンフレット作成への支援と貸切バス借り上げの支援について説明。募集型企画旅行のパンフレット作成に対し、5〜50万円の助成を行う。またDC用観光素材を3件以上利用し、県内で宿泊する15人以上の受注型旅行に対し、バス1台につき4万円の助成を行うことなども発表された。
JR東日本からはリゾート列車と上野東京ラインの説明が行われた。
「走るカフェ」をコンセプトにしたリゾート列車「フルーティア」が磐越西線の郡山—会津若松駅間で4月下旬から土休日を中心に運行される。県産果物を使用したオリジナルスイーツやドリンクをセットにして提供する。
上野東京ラインは3月14日から宇都宮線、高崎線が東海道線と相互直通運転に、常磐線が品川駅まで直通運転を開始する。また、上野東京ライン開業に伴い、常磐線特急は品川—いわき駅間を運行する新たな特急「ひたち」「ときわ」に生まれ変わることなども説明された。