秘湯を守る会、全会員が温泉協会会員に


静岡・熱海温泉の大観荘で開かれた通常総会

静岡・熱海温泉の大観荘で開かれた通常総会

 朝日旅行協力会の一部会である「日本秘湯を守る会」(佐藤好億会長=大丸あすなろ荘、193会員)は12月21日、静岡・熱海温泉の大観荘で10年度の通常総会を開き、来年度の事業計画を決議した。役員改選を行い、佐藤会長の続投を決めたほか、地熱開発への反対運動の一環として全会員施設が日本温泉協会の会員になることを決めた。

 総会には126会員宿から133人が出席。11年度は、会員宿の利用者に対し、10個スタンプ貯まると1回無料宿泊を贈るスタンプ事業の推進やウェブ予約サイトの事業を継続して実施。新たな事業としては、地熱開発問題への対応策を協議するための新組織「地熱対策委員会」を設置しての反対の署名運動の実施や、クマザサエキスを使ったオリジナルのボディーソープやシャンプーの開発、販売などを行う。

 このうち同会の中核事業であるスタンプ事業については、無料宿泊招待者へのもてなしの質を向上させることの意義やスタンプを押印する条件について再確認した。

 また地熱開発に対して組織として唯一反対を表明している日本温泉協会に全会員が加入し、同会の反対運動を後押しすることを決議した。

 役員改選では、深沢守理事(長野・白根館)を新たに副会長に選出した。

 佐藤会長は「会員の宿の多くが限界集落にあり、宿がなくなればその地域が消えてしまうようなことにもなる。地域や温泉を守っていくという目的のためにも、チームワークを組むことが大事だ」とあいさつ。地熱開発問題に対して会としてまとまって反対の意思を示していくことが重要であることを強調した。また同会の40周年で会長を降りる意志であることを表明。「それまでに会員資格を明確にし、次の体制づくりを進めよう」と呼びかけた。

 総会には来賓として、井沢啓朝日旅行社長が出席。井沢社長はあいさつの中で、同社の国内旅行の取り扱いが前年の9割程度にとどまっている一方で、同会のウェブサイトの取り扱いが毎月前年比10%増で推移していることを紹介した。また同会のブランド力を高く保つことの重要性を指摘。その上で、「互いのブランド力を高めるとともにお客さまの共有化を進め、お客さま満足度を向上させたい」と意欲を語った。

静岡・熱海温泉の大観荘で開かれた通常総会
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