光触媒ベンチャーのカルテック(大阪市中央区、染井潤一社長)は1日、同社独自の光触媒技術を搭載した新製品の空気のパーテーション「テーブルエアー」を7月から法人向けに発売するのに合わせ、「光触媒で飛沫対策用アクリル板に代わる新製品」発表会を東京で開催した。
発表会前半は、光による新型コロナウイルスの不活化、気流の計測の実用化に向け、開発に従事する理化学研究所光量子工学研究センター光量子制御技術開発チームチームリーダーの和田智之氏が講演を行った。和田氏は国のコロナ禍対策で理研が関わった研究成果や今後の日本国内の新型コロナウイルス対策ついて説明。特にテーブルエアーが採用した理研開発の「空気の可視化技術」を利用した「呼気(ヒトが吐く息)の可視化」と、日大医学部、理研、カルテックの医工連携で発表された「光触媒による一定期間中の新型コロナウイルスに対する不活化を実証」について経緯や効果を話した。
発表会後半は、染井社長が光触媒を使った空気清浄機やテーブルエアーを紹介。新型コロナウイルス対策としてアクリル板を設置したことで会話が聞こえにくいが、同製品は、飲食時のマスクを外した状態で安心して会話が楽しめる環境を取り戻せる。同社独自の光触媒で除菌、脱臭された空気が「空気のパーテーション」を形成してエアロゾル(マイクロ飛沫)を遮断する。主なパーツは光触媒除菌脱臭機と空気が排出するモール部の二つ。染井社長は、省スペース設置や簡易施工、メンテナンスの容易さをアピールした。
法人向けに飲食店のレジ前や旅館・ホテルのフロントといった接客時や食事会場での会食時、オフィスや会議室など活発な会話が交わされる場所での飛沫対策のアクリル板の代替としてさまざまな場面での活用を提案していく。オープン価格。同社ホームページに「法人向けオンラインサイト」も開設する。
同製品に関する問い合わせ先は同社カスタマーセンターTEL0800(999)0830。
染井社長による新製品説明
和田氏の講演