立教大学観光研究所(東徹所長)は1月20日、東京の同大学池袋キャンパスで開設50周年記念シンポジウムを開いた。研究所第5代所長を務めた前田勇氏(立教大学名誉教授)が大学の観光研究の歴史を講演。同大OGの小田真弓氏(石川県和倉温泉・加賀屋女将)らパネリスト3氏が研究所への今後の期待を語った=写真。
観光研究所は「広い視点からの観光研究」「開設講座の統括管理、運営」を目的に1967年開設。同大観光学部教授らで構成する所員による観光領域の研究、「ホスピタリティ・マネジメント講座」をはじめとする公開講座の運営を手掛けている。
ホスピタリティ・マネジメント講座の前身「ホテル講座」は1946年、金谷ホテル(栃木県日光)創業者金谷善一郎氏の次男で富士屋ホテル(神奈川県箱根)社長を務めた同大OBの山口正造氏の遺志を継いで開設。他大学や社会人の受講も認めるオープンスクールの先駆けとして経営、設計、調理など、ホテルと観光に関わる講座を開いている。
前田氏はこれらの歴史を振り返るとともに、山口氏の遺志に応えることを決めた大学、講座を支えた歴代の講師、講座を受講した当時の若者らに敬意を表した。
橋本俊哉氏(立教大学観光学部教授)をコーディネーターにしたパネルディスカッションでは、小田氏と岡本伸之氏(立教大学名誉教授)、安島博幸氏(同)が研究所に対する今後の期待を述べた。「お客さまの喜びは自分の喜び。大学でこのサービス業の神髄を教えていただきたい」(小田氏)、「小田さん夫妻という素晴らしい経営者を育てたことは大学の誇りだ」(岡本氏)、「時代に合った新しいテーマの研究を進めることが研究所の今後の重要な役割だ」(安島氏)とそれぞれ述べた。