観光振興に貢献した団体、個人を表彰する「第20回岩切章太郎賞」は、宮崎県日南市に決まった。主催の宮崎市が7日発表した。歴史的な建造物の復元、海岸線や棚田といった景観の活用など、市民参加型の地域づくりが高く評価された。贈呈式は4月24日、日南市の国際交流センター小村記念館で行われる。
日南市は、宮崎県南部に位置し、人口は約4万4千人。官民一体の取り組みで、歴史、自然を生かした観光地域づくりを進めて、06年の観光客数は107万8千人に上る。
城下町として栄えた飫肥地区には、歴史を感じさせる町並みが広がる。城内の建物の多くは明治期に取り壊されたが、市民運動により大手門の復元などの整備が進められた。九州で初めて国の重要伝統的建物群保存地区にも選定された。
このほかにも、飫肥杉とマグロ景気で栄えた時代の運河や倉庫などが残る油津地区、鵜戸神宮やサンメッセ日南がある日南海岸国定公園、「日本の棚田百選」に選ばれた坂元棚田などの観光資源がある。
受賞について日南市の谷口義幸市長は「観光資源に恵まれ、観光客をおもてなしの心で迎えるボランティア活動も積極的に行っている。今後も『住んでよし、訪れてよし』のふるさとづくりと合わせ、魅力ある観光地づくりを市民とともに進めたい」とのコメントを発表した。
今回は、208件の候補の中から選考。選考委員会は、著名人や有識者7人で構成され、委員長は作家・放送作家の永六輔氏が務めた。
復元された飫肥地区の大手門