箱根デジタルマップ稼働 箱根DMO(一般財団法人箱根町観光協会)専務理事 佐藤 守氏


箱根DMO(一般財団法人箱根町観光協会)専務理事 佐藤 守氏

混雑、渋滞の緩和へ

 デジタル技術を活用した混雑状況の可視化を踏まえた観光ルート提案・クーポン発行などによる旅マエ・旅ナカの情報発信とスムーズな箱根周遊を促進する観光デジタルマップを昨年11月に稼働しました。

 箱根町は、首都圏から1時間強で訪れることができる観光地であり、箱根神社・箱根関所などの歴史史跡、風光明媚な芦ノ湖、17の温泉が集まる温泉リゾートとして、年間約2千万人の来訪があります。

 現在、観光需要の回復、インバウンド需要の増加もあり、交通渋滞、公共交通の混雑、飲食店での行列など、休祭日を中心に渋滞・混雑が課題となっています。箱根DMOは、このような課題を解決して需要の分散・平準化を図るために、デジタル技術を活用した「箱根観光デジタルマップ」を昨年11月にプレリリースし、順次機能を拡張し、本格稼働しました。

 「箱根観光デジタルマップ」は、交通や店舗の混雑状況を可視化し、スムーズな周遊をサポートする「店舗・施設の混雑状況発信、予約」「おすすめ周遊ルートの案内」「混雑状況に応じたクーポンの配布」「ガイドツアーの案内、予約」などの機能を盛り込み、「旅マエ」「旅ナカ」での情報発信を行うデジタルマップサービスです。

 一例ですが、渋滞情報の可視化では箱根町内の道路状況をリアルタイムに見るためにAIカメラを設置しており、この情報等を踏まえ、交通量予測モデルを開発し、渋滞予測情報をデジタルマップ上に表示します。箱根町内の6カ所の駐車場混雑状況をデータ取得し、デジタルマップ上に混雑・交通情報を表示することで、車利用の観光をサポートします。また、交通機関の運行の可視化では各交通機関の運行状況、時刻情報を表示します。タクシー乗り場での待ち人数データとともに、スマートフォンやPCで交通状況が確認できるため、最適な交通手段の選択や、渋滞を避け時間を有効活用した観光周遊が可能となります。

 本事業では箱根温泉DX推進コンソーシアムを形成し、地域内外の多くの連携機関と事業者間で連携し、観光DXに取り組んでいます。

 本事業の取り組みは、政府が昨年10月にとりまとめた「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」にも掲載されております。箱根温泉DX推進コンソーシアムでは、本事業を通じて、旅行者の空いている時間帯・時期・場所への誘導・分散化を実現し、観光客の受け入れと住民の生活の質の確保を両立しつつ、持続可能な観光地域づくりを実現してまいります。

 

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒