12月14日に決定した与党の2024年度税制改正大綱で、税法上、損金扱いできる飲食を伴う交際費の上限額が1人1回5千円から1万円へ大幅に引き上げられた。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)は23年6月以降、上限緩和について関係各所へ精力的に働き掛けてきた。
8月24日に萩生田光一自民党政調会長、同30日に菅義偉前首相、同31日に麻生太郎自民党副総裁に井上善博会長らが要望。9月は全旅連青年部と自民党国会議員が意見交換。11月は自民党予算・税制等に関する政策懇談会、公明党政策要望懇談会での要望ほか、日本ホテル協会との共同要望活動を実施した。
税法上、損金扱いとなり、非課税にできる交際費の上限は2006年以降、5千円に設定されており、この基準を参考に接待飲食費の額を1人5千円以下にする企業も多いという。ただ、90年代初めに約6兆円だった企業の交際費が近年、約3兆円と半減。「税制が法人の飲食需要の拡大に水を差している」との指摘もあった。
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