経済産業省は3月26日、顧客と地域に密着することでサービスの高付加価値化、差別化を実現している「おもてなし経営」の実践事業者として50社を選定した。観光にかかわる企業では、新潟県湯沢町の旅館、HATAGO井仙を経営するいせん(井口智裕社長)などを選んだ。
経産省は、おもてなし経営を「従業員の意欲と能力を最大限に引き出し、地域・社会とのかかわりを大切にしながら、サービスの高付加価値化や差別化を実現する経営」として、サービス事業者が目指すべきビジネスモデルの一つとして普及を目指している。
選定されたいせんは温泉旅館のほか、飲食店、物販店を経営している。柔軟な人員配置を可能にするため、複数の仕事ができるよう社員を“多能工化”し、社員のやりがいを引き出すとともに、生産性を向上させた。また、地産地消をテーマにした商品開発などで他産業との結び付きを強化し、地域全体の活性化に努めている。
観光関係では、三重県鳥羽市で海女小屋体験施設「はちまんかまど」を運営する兵吉屋(野村一弘社長)も選ばれた。観光客の受け入れを海女自身が喜びとしながら、海女文化の発信、保全に生かしている。