経済産業省は15日、2009年度2次補正予算に盛り込んだ中小企業の資金繰り対策として「景気対応緊急保証」をスタートさせた。今年度末に期限切れを迎える「緊急保証制度」に代わる措置で、従来の緊急保証の利用枠30兆円に6兆円を追加。業況低迷の長期化を踏まえ対象企業の認定基準も緩和した。また、セーフティネット貸付の金利引き下げ幅も拡充している。期間はともに来年3月末まで。
景気対応緊急保証は、中小企業が金融機関から融資を受ける際、一般保証とは別枠で無担保で8千万円まで、有担保の普通保証で2億円まで、各地域の信用保証協会から100%保証が受けられる。信用力の高い事業者の場合は、8千万円を超える無担保保証にも対応する。保証期間は10年以内、保証料率は0.8%以下。
対象企業の認定基準を緩和し、売り上げ比較を前年比減少基準(3%減)に加え、2年前比減少基準(3%減)を導入した。また、業種指定分類のくくりを広げることで市区町村での手続きを簡易にし、認定のスピード化を目指している。
経産省は、金融審査にあたって中小企業の経営実態を十分勘案するよう、保証協会に基本方針を提示している。例えば、「2期連続の赤字を計上し、繰越損失を抱えている場合であっても、赤字の要因や取引先などからの経営支援などを幅広く勘案した上で与信を総合的に判断」することとしている。
これら政府の緊急経済対策を踏まえ、日本政策金融公庫は15日、設備資金貸付利率に特例制度を創設した。設備資金について融資後の2年間、貸付利率を0.5%引き下げる(期間は9月末までの予定)。また、セーフティネット貸付では、従来の措置の延長に加えて、雇用の維持、拡大に取り組む企業の運転資金について金利引き下げ幅を0.1%から0.2%に拡充した。