自民、公明両党は13日、08年度税制改正大綱を決定した。観光関係では、新法案「観光旅客の来訪及び滞在の促進による観光圏の活性化に関する法律」(仮称)に基づき観光資源を取得する場合の特例措置の創設が盛り込まれた。中小企業関係では、中小企業事業承継税制の拡充や中小企業投資促進税制の延長などが認められた。
観光圏の活性化に関する新法案は、滞在日数の拡大に向けて、複数の市町村などによる地域観光圏づくりを支援する狙いで、国土交通省が制定を目指している。特例措置は、市町村や観光関係者などで構成する地域の法定協議会に参加する公益法人が、文化財保護法に基づく登録有形文化財などの家屋、またはその敷地を取得する場合、不動産取得税の課税標準の2分の1を控除する。
この新法が施行された場合、08年度まで延長が認められていた外客誘致法に基づく民間の地域観光振興組織(ATA)が、文化財に指定、登録された家屋、土地を取得する際の控除措置は廃止される。実質的に新法に基づく特例措置がその内容を引き継ぐ形になる。
日本観光旅館連盟、国際観光旅館連盟、全国旅館生活衛生同業組合連合会の旅館3団体は、新法案に基づく特例措置について、宿泊施設の新築、増改築への適用を要望したが、認められなかった。
旅館3団体が要望した税制改正8項目のうち、中小企業事業承継税制の拡充、中小企業投資促進税制延長の2項目は盛り込まれた。この他、政府登録ホテル・旅館の固定資産税および不動産取得税の地方税不均一課税の拡大と実施の促進などは認められなかった。