自民党観光産業振興議員連盟(細田博之会長)は7日、党本部で今年2回目の総会を開き、耐震改修促進法の改正に関わる旅館・ホテル業界からの要望を聞いた。法改正に伴い発生する事業者の負担を軽減するよう求める旅館・ホテル側に対し、出席した議員からは賛同する声が相次いだ。
旅館・ホテルからは、全旅連の佐藤信幸会長、全国の県旅館ホテル組合理事長、日本旅館協会の佐藤義正会長らが出席。
全旅連の佐藤会長は(1)耐震改修促進法の改正にあたり、事業者負担を最大限軽減するための制度を確立してください(2)耐震診断結果公表までの期間を延長してください—とする要望書を読み上げた。
負担の軽減については、地域によって地方公共団体の補助金制度に格差があることを指摘し、地方が最大限の交付金を出すよう法律で明記するとともに、国が強力に働きかけるよう訴えた。
また耐震診断結果の公表については、各施設の耐震計画や耐震工事の進ちょく状況を勘案し、十分な期間の猶予が必要だとしている。
出席した議員は「極めて性急」「地方自治体がお金を出すかがポイントだが、どこも財源が厳しい。公共施設に出すならともかく、民間の施設に出すとなれば、優先順位は低くなる」「診断結果の公表はかなりのプレッシャーだ。悪質なものを除き、やめるべきだ」「これだけ業界が低迷している時に、なぜ負担を強いることをするのか」など、旅館・ホテル業界を擁護する意見が続いた。
観議連の望月義夫幹事長は、「この件について2月26日、佐藤(全旅連)会長とお会いして、さまざまな意見交換を行い、その上で当局(国交省住宅局)と折衝を行ってきた。きょうはその回答を得ることになっている」と報告。国交省住宅局の井上俊之局長は「地域経済に(悪い)影響を及ぼすことが法案の趣旨ではない。耐震診断、改修を円滑に進めていただくことが趣旨だ。趣旨に外れるようなことは絶対にないようにしたい。法制度では、公共団体への義務付けは難しいが、私どもが行脚をして、(補助制度が確立されるよう)しっかりやってまいりたい」。
また診断結果の公表については、「診断は平成27年(2015年)末までにやっていただくが、公表をいつまでにするかは法律に書いていない。性急に期限を設けて機械的にやることは絶対にないようにしたい」と述べた。
佐藤全旅連会長は「このままの法律(改正案)では困る。今後も継続的に話を進めていきたい」と述べた。
要望書を読み上げる全旅連佐藤会長(中央奥)