長野県は8月30日、東京都内で「学習旅行誘致説明会」を開催した。主催は県観光機構で、県内の旅館・ホテルなどの観光事業者約40団体と旅行会社が参加した。白馬支部による誘客PRに加え、SDGs(持続可能な開発目標)を学ぶことが可能な自然学習プログラムなどを紹介。併せて、観光事業者と旅行会社による個別商談会も催された。
冒頭、県観光機構パブリック事業部の岩本文成部長が登壇、県の現状を説明した。新型コロナウイルス禍の中、昨年度実施した「安全・安心な修学旅行等サポート事業」の結果を報告。これは、県内で実施される修学旅行や合宿などに対し、新型コロナ感染症対策として、密を避けるためのバスの台数や、宿泊部屋を増やす場合の追加経費に対して助成を行う制度。県内外で約700校から申し込みがあり、申請額は約1億6千万円だった。
今年1月からのオミクロン株の流行により、冬に実施される予定だったスキー修学旅行などがほぼ中止となり、約15万人泊が取り消しになったと報告。そのリカバリー策として県では現在、SDGs体験学習と、合宿に係る経費の一部を補助している。
補助額は児童・生徒1人泊当たり千円。来年3月4日までに行われる修学旅行などが対象となる。8月30日時点で全国265校からの申し込みがあり、申請額は約4千万円となっている。
併せて、ウェブサイトを強化していることも報告した。「長野県学習旅行ナビ」から各種の体験学習プログラムやモデルコースなどを簡単に確認できるようにし、ペーパーレス化を推進している。
西澤賢一郎課長=写真=らは、県内に五つある国立公園を活用した自然学習プログラムを紹介するとともに、5人以上の乗車が可能なジャンボタクシー利用の教育旅行を提案。西澤課長はジャンボタクシー利用を薦める理由として、(1)班別での行動が可能(2)小回りが利くため、観光バスが行けない観光地にも行ける(3)生徒自らによるコース設定が可能―などを挙げた。