第2次世界大戦後のシベリア抑留者による資料「舞鶴への生還」の世界記憶遺産登録決定を受け、京都府舞鶴市は二つの柱を掲げた複合キャンペーンを開始した。登録が決まったことで観光客増が期待されるが、複合キャンペーンの実施で知名度アップを図り、継続的な入り込み増を狙う。
「来てーな舞鶴2015キャンペーン」は首都圏と市内を対象に、10月から来年3月まで実施する。引き揚げの史実の継承事業と、引き揚げのまち・海軍ゆかりのまちをキャッチフレーズに市の魅力をアピールする観光誘客キャンペーンの二つを合わせた。首都圏で史実の継承事業を実施するのは初めて。
まず、12月25〜27日、「引き揚げと海軍ゆかりのまち舞鶴in東京」と題したPRイベントを東京・丸の内のJPタワー・KITTEで行う。会場を「海軍ゆかりのまち」「引き揚げのまち」の2ゾーンに分け、テーマに沿った展示で舞鶴の魅力をアピールする。
特に、引き揚げのまちゾーンでは舞鶴引揚記念館が所蔵する資料約1万2千点の中から、抑留者の安否を伝えたはがきなどを展示する「特別巡回展」を開く。
このほか、一般参加型の公開講座「海の京都 舞鶴学講座2015」(11月14日、東洋大で)の開催、都内飲食店や学生食堂の協力を得て実施する「おいしい舞鶴!いただきますフェア」などを行う。
市内では郵便ポストに貼ったQRコードを利用したまち歩きキャンペーンを10月24日から12月28日までの期間限定で開催するほか、平引揚桟橋と同記念館を結ぶ有料シャトルバスの運行、引揚体験者への記念館の永久パスポート発行などを計画している。