群馬県草津町の夏を彩る「草津温泉感謝祭」(主催・草津町、草津温泉観光協会)が1、2日、温泉のシンボル「湯畑」周辺で行われた。2日夕にはホテル一井で大沢正明知事や関係市町村の首長、JR東日本、旅行業者らを招いた懇親会が開かれ、親交を深めた。
感謝祭は土用の丑の日、丑の刻(午前2時頃)に入浴すると1年中無病息災であるという言い伝えにより、温泉の恵みに感謝する意味で始まった「丑湯祭」が起源。今回で71回目となる。
1日夕、第71代温泉女神の山口紗希さん(22)が降臨=写真、巫女とともに「源泉お汲み合わせの儀」や「分湯の儀」などを行った。
翌日、町内の各浴場に献湯。全ての儀式を終えた女神や巫女らが昇天する「女神昇天」の際にはそれまで降っていた雨も上がり、大勢の見物客は眼前で繰り広げられる荘厳な儀式に大きな拍手を送っていた。
懇親会には招待者を含め約100人が参加。主催者を代表して中沢敬観光協会会長、黒岩信忠町長があいさつした。
中沢会長は観光客が増えていることを報告し、「草津の夏の風物詩を存分に味わってほしい」と述べた。黒岩町長は2015年度の入り込み客数がバブル期と同じ300万人を超え、「16年度はさらに1割増しのお客さまを迎えたい。草津温泉(のまちづくり)に完成はないというのが持論であり、進化する温泉地を作っていく」と意欲を示した。
4年連続の参加となった大沢知事は、「草津は『にっぽんの温泉100選』(観光経済新聞社主催)で13年連続1位という輝かしい実績を上げており、群馬の観光に大きく貢献している。ブランドにおごることなく、まちなみの発展に努めてほしい」と今後の展開に期待した。
また、6月23日付で就任したばかりのJR東日本の百瀬孝執行役員高崎支社長は「長野原草津口駅で温泉100選13年連続1位のポスターを見て、さすが草津温泉と改めて認識した」と述べた。
観光協会によると、2日間の入り込み客数は約1万2千人だった。