ホテル運営やレジャー事業を手掛ける藤田観光(東京都文京区)はこのほど、ホテル業界に興味を持つ就職活動中の学生に向けて、オンラインアバターが同社の概要説明をしながら施設内の案内をする「バーチャル施設見学ツアー」を導入した。同社が運営する3施設をメタバース上で再現し、施設を訪れることが難しい就職活動中の学生でも実際の雰囲気を感じることができる空間として、ウェブ上で一般公開した。
今回同社が導入したメタバース空間は、AIやメタバース事業で企業DXを支援する株式会社X(東京都港区)のデジタルブランディングツール「apotto」を活用し、同社が運営する三つの宿泊施設、「ホテルグレイスリー新宿」「ホテル椿山荘東京」「箱根ホテル小涌園」をメタバース上に再現した。このツールの導入により、ホテル業界に興味を持つ就職活動中の学生に対し、各施設の魅力を伝え、理解を促進する機会を増やす。
バーチャル施設見学ツアーは、ウェブブラウザで閲覧できるため誰でもアクセスが可能。ツアーでは、採用担当者がバーチャル空間に登場し、同社が展開する各事業などについて、ホテルの施設内を転々としながら解説する。各事業の説明だけでなく、同社の社是、長期ビジョン、働き方などについてもテキスト情報で公開されており、自分のペースで企業概要を知ることができる。
同社によると、実際にバーチャル施設見学ツアーを体験した就職活動中の学生からは「訪問できる施設は限られているので、ウェブ上で疑似体験できるのは興味深い」など好意的な声が寄せられているという。「自分のペースで見学できる点が若い就活生の価値観にマッチしているようだ。コンテンツのアップデートやその他の施設についてもバーチャル施設見学が行えるよう検討を進め、利便性向上を図っていく」(同社)。