Hotels.comは16日、2060年のホテルトレンドを予測するレポートを発表した。詳細は以下の通り。
Hotels.com と未来学者ジェームズ・カントン博士は、2060 年とその先の未来のホテルを予想する「Hotels.com™ホテル未来予測レポート」を発表
最新のデザイン科学技術によって、宿泊者の夢や希望に合わせてお好みのホテルにカスタマイズすることが可能に!
3D プリンター、形状を変えるモーフィング ベッド、顔認証ドアなど、ホテルルームがさらにスマートに!
2016年も残りわずかとなりました。旅行業界では今年もさまざまな動向がありましたが、来年はどのようなトレンドになるのか注目が集まっています。そしてさらにその先の未来には一体どのような世界が待っているのでしょうか。Hotels.comは、今年ブランド設立25周年を迎えたことを記念し、消費者動向を分析する研究機関Institute for Global Futures(IGF) の未来学者ジェームズ カントン博士の協力の下、1 年後、25 年後、さらに西暦 2060 年の旅のスタイル、ホテルステイを予測する「Hotels.comホテル未来予測レポート」を発表しました。
昨今話題の拡張現実(AR)や人工知能などの技術が、2060年にはさらに進化し、驚くようなホテルステイが待っています。2060 年にチェックインするホテルは、火星にあるかもしれません。レポートによると、ファンタジーを実現する拡張現実や高度な人工知能、自由に形状を変えるモーフィング ベッド、自立型ロボット、簡易なタッチ操作、そしてホテルのあらゆるものがインターネットとつながり、より快適な滞在を可能にするハイパー・コネクティビティもホテル選びの要素となり、旅の目的地選び、予約方法、交通手段、宿泊先での過ごし方は、劇的に変化することが予測されています。
カントン博士は、次のように述べています。「テクノロジー、科学、エネルギー、エンターテイメントのトレンドは、未来のホテルステイを大きくそしてエキサイティングに変えるでしょう。膨大なデータと人工知能、旅行者のトレンド予想を組み合わせた新たなデザイン科学技術によって、旅は今とはまったく異なるものとなることが予測されます。たとえば、旅行の予測分析データを基に、旅行会社は旅行者がどのような経験をしたいのかを事前に入手することができるでしょう。ホテルの予約そのものが、データ 解析技術と直感的コンピュータ操作を利用した人工知能ソフトウェア エージェントによって行われるようになります。旅行をデザインする最新科学技術は、個々のニーズに応じたきわめてパーソナルなホテル滞在経験を実現します。革新的な分析技術により、旅行者は生涯の理想的な旅を実現し、旅行後にも恩恵を受け続けるでしょう」。
Hotels.com はテクノロジー分野で旅行業界をリードする1社として、カントン博士と共同で分析した先進的なテクノロジーと科学が融合した驚くべき未来のホテルトレンドTop13を紹介します。
2060年までに起こる未来のホテルトレンド予測
1. ロボ バトラー
宿泊者の到着前にオンラインでデザインされる自立型ロボットです。特別な才能や技術、言語能力、知識を備えたロボットのバトラーが、ホテルで過ごす時間をより有意義で快適なものにします。空港へのお出迎えから、シェフ並みの料理サービス、客室の清掃、話し相手、教育、エンターテイメント、ビジネスに関するアドバイス、コンシェルジュ サービスなど、ありとあらゆるリクエストに応えてくれます。
2. オーダーメイドのモーフィング ホテル
消費者トレンドを反映して、自在に形を変える次世代のオーダーメイド型ホテル。クラウドソーシングによるホテルは、ナノ テクノロジーと機械を利用し、 環境、建物、さらに物理的な世界まで自ら創り上げることが可能です。今後20 年のうちに、実現することでしょう。
3. 客室に 3D メーカーを完備
重い荷物を持ち歩く旅は、過去のものになるでしょう。3D プリンターが旅のスタイルも、客室での過ごし方も現在とはまったく異なるものに変える日が来ることが予測されます。3D メーカーは、宿泊者が望むものをリアルタイムで作り出してくれます。例えば新しい靴、洋服、薬剤、あるいはコンピュータやウェアラブル フォーンまでお望み次第。さらに 3D ショッピングでは、消費者は欲しいデザインの商品をクラウドからダウンロードして手に入れることができます。全客室 3D メーカー完備は常識になるでしょう。
4. ニューロ ドリーミング
お好みの夢をお選びください – 快適な睡眠の概念が刷新されます。客室のベッドは、眠るだけの場所ではなくなります。眠りにつく前に見たい夢を設定。脳科学の研究の成果を活用した技術による夢のプログラミングができるホテルでは、リラックス、学習、娯楽などテーマ別に夢の種類を選択することができるのです。ロマンチック アドベンチャーや宇宙旅行の夢を見るのはいかがですか ?
5. クラウドソーシングに基づくポップアップ ホテル
次世代型ポップアップ ホテル (期間限定ホテル) は、モバイル クラウドソーシングを活用したものに変わり、ホテルのテーマやロケーションは投票により決まります。最多投票数を獲得したポップアップ ホテルのデザインは、3D プリンターから、バイオソーラー組織と未来のナノテクノロジーを使って創り出されます。ポップアップ ホテルは、一定期間のみオープンし、消費者はウェアラブル モバイル アプリから仮想通貨 Hotel Coin により宿泊料を払います。
6. ウェルネス & アンチエイジング スパ
未来のスパは、想像以上に素晴らしいものになります。フェイシャル エステやマッサージのみを提供するスパはもう時代遅れ。DNA 分析を活用し、アンチエイジングを売り物にするのがホテル・スパの次なるトレンドです。健康状態や将来の健康リスクなどの詳細な顧客データに基づき、パーソナルなトリートメントや予防、健康向上プログラムを提供してくれます。最新のジェネリック医薬品や気分をリフレッシュしてくれる薬、脳トレーニング、予防医療など、様々な新技術が使われます。定番のマッサージや泥トリートメントのメニューも体験可能です。
7. 未来の空港送迎サービス
自動運転車、ロボ フライング カー、ハイパー ループ (次世代交通システム) – 空港からホテルまでの交通手段はよく旅行者を悩ませていますが、未来の交通手段は、ハイテクかつハイスピード。ドライバーが必要ないセルフドライビング ポッド (自動運転車) やロボットが操縦してくれるロボ フライング カーで、渋滞知らず。また次世代交通システムのハイパー ループが、わずか数秒で何百キロ先まで移動できる超音速飛行を実現してくれるかもしれません。
8. DNA モバイル決済
DNA は究極の身分証明書です。オンライン予約や決済に 遺伝子情報が使われる日も来ることでしょう。ホテルでのチェックイン手続きは、DNA指紋鑑定で身分を証明すれば完了です。混雑時、フロントの前で順番を待つ必要もなくなります。
9. トラベル アバター
旅の予約は、自分自身の分身であるトラベル アバターにお任せ。デジタル旅行エージェントのように働いてくれます。トラベル アバターは、本人に代わって希望やニーズにあった旅をアレンジ。アップルの Siri やアマゾンの Alexa のパーソナル バージョンを想像してください。トラベル アバターは、検索から計画、予約にいたるまでのあらゆる旅の手続きを代行してくれます。アバターはコミュニケーションを取ることや、交渉することも可能。旅のすべてをデザインし、究極のカスタマーサービス能力を発揮します。
10. エコ ホテルの新時代
すでに多くのホテルが、環境にやさしい運営を行っておりますが、将来は、すべてのホテルが完全に持続可能なホテルになるでしょう。エネルギーを有効活用し、再生可能エネルギーを売買し、安全でクリーンな製品のみを使用。最新の太陽光と地熱発電技術を採用し、二酸化炭素を排出しない運営を実践します。エコホテルは社会意識が高く、提供するサービスもスタッフも社会に対しポジティブな影響を与えることでしょう。
11. 拡張現実ホテル (AR)
将来、旅行者は、現実世界とバーチャルが融合するホテルに宿泊することになるでしょう。バーチャル・リアリティーが仮想世界であるのに対し、拡張現実は、現実世界とバーチャル・リアリティーが融合した世界です。アフリカやペルーのマチュピチュへのエクスカーションなど、数百万ものシナリオが可能になります。拡張現実ホテルは、究極の冒険旅行、歴史探訪、ドラマチックな旅をカスタマイズしてくれます。滞在ホテルの周辺を観光するだけだったこれまでの旅と異なり、拡張現実ホテルの宿泊者は、これまでにないファンタジーの世界へ足を踏み入れることができるのです。
12. ホテル レストランのグルメ ゲノミクス
DNA 分析からお客様の嗜好を特定し、レシピやメニューを作ります。ホテルのレストランは、予約者の DNA 情報を元に、それぞれの健康状態にふさわしいレシピやメニューをデザインします。栄養バランスを考えた、体調改善や体力増強につながる食事を堪能することができるのです。味においても決して妥協していません。一流シェフが各顧客のためにアイディアを凝らしたデザイナー フードを、カロリーや食事制限を気にすることなく味わえるのです !
13. 没入型テーマ ホテル
未来のホテルは、没入型仮想環境に基づくテーマを特徴とします。現在では空想の世界にしか存在しないような、エンターテイメントの場となるのです。宿泊者は、テーマを投影したインタラクティブでライブ感溢れる環境を経験。仮想現実のなかでリアルタイムの対話や交流を体験することができるのです。例えば戦争をテーマにしたゲーム、「コール オブ デューティ」をテーマにするホテルでは、ネットワークに接続したホテル間で戦うことが可能です。あるいは「古代ローマ」をテーマにするホテルなら二輪馬車のレースに参加できるでしょう。「ルネサンス」テーマのホテルでは、衣装や特注のアンドロイド、シナリオ、アクションなどが用意されているかもしれません。
スマート ホテルの客室
2060 年になる頃には、ホテル客室内も大きく変わっていることが予測されます。未来の客室は、あらゆる面で徹底的にパーソナル、スマート、ハイテクになっているでしょう。
例えば :
ルームキーに替わる顔認証システム
宿泊者の好みやニーズに対応する複数のセンサー
会話するテレビ
タッチ操作、応答、対話機能付きサーフェス
スマート トイレ、ライブ ニュースをストリーミングして映し出すバスルームの鏡
ストレスレベルを感知し、神経学に基づくアロマが香り、利用者を心地よい睡眠へ導入するインタラクティブなスパの壁
汚れを除去するナノ コーティングされたタオル
室温を自動調整できるワイヤレス空調設備
宿泊者のために自動的に組立てられるベッドと、神経科学に基づいて選択された枕
ホログラフィック音楽のコンサートなど宿泊者の嗜好に合わせたインルーム エンターテイメント
未来の客室をもっと覗きたい方は下記のリンクから動画(英語)をご覧ください。https://www.youtube.com/watch?v=Qc_xFEcLBH0
2060 年まで待ちきれない、すぐに最新ホテルに泊まりたいという方のために、Hotels.com は今すぐご予約いただける何万軒ものホテルをご紹介しています。世界各地の口コミ高評価ホテルをご覧になり、次の旅の滞在先をお選びください。https://jp.hotels.com/
その他、未来のホテル 予測
1. 海中ホテル
地球の 90% 以上は水に覆われています。旅行者は、自分のためだけにデザインされた水中ホテルを体験したいと思うようになるでしょう。ホテルの客室は、海中の様子を観察するための水中ラボに形を変えます。多様な生きものが棲む海の中での滞在は、これまでと違う休日の体験を求める旅行者の関心を集めるでしょう。
2.地球を離れて宇宙ホテル
地球の軌道や月面、火星にあるホテル。莫大な費用を払わずとも宿泊できる日が来るでしょう。将来的には、核融合エネルギーを利用して宿泊者を宇宙空間へ連れて行くことも可能になるでしょう。そうなれば、世界の果て、宇宙で休暇を過ごしたいと考える消費者の需要が高まること間違いなし。
3. 音声&ジェスチャー コントロールができる客室
寝る前に部屋のカーテンを閉めて、ベッドから出て照明を消す時代は終わりました。未来の客室では、音声コントロールでテレビの電源を切り、手の動作で照明の明るさを調節。音声とジェスチャーはチェックイン前にダウンロードされており、コントロール機能は宿泊者のためだけに設定されています。
4. 仮想現実エンターテイメント
すでに仮想現実 (バーチャル リアリティ) 技術を使ったエンターテイメントはありますが、近い将来、旅をさらに楽しむために仮想現実がより活用されるでしょう。例えばローマ旅行では、ただ観光するだけでなく、旅行者は円形闘技場でリアルな闘技に参加したり、レオナルド ダ ビンチから絵画の手ほどきを受けたりすることも可能です。快適な客室にいながらにして、仮想現実メディア センターを通してダブル ロボットによるエベレスト登山もできるかもしれません。
5. ホテルでも「モノのインターネット (IoT) 」
ハイパー コネクティビティ – 客室のなかのあらゆる物、壁も、備品も、床も、何もかもがインターネットにアクセスできることを想像してみてください。「ホテルのモノのインターネット (IoHT)」は、すぐそこまで来ている未来です。ウェアラブルなスマートフォンは将来的に人体に埋め込まれ、旅行者は旅の間ずっとオンライン接続可能。ハイパー コネクティビティは、旅の楽しみ方と安全性の向上につながります。
6. ホテルでホロリアル スポーツ
サッカーやテニスの試合を、インタラクティブな環境で観戦できるようになります。これまで以上に試合観戦に熱が入ること間違いなし。VR Play を利用すれば、実際にスタジアムにいるような感覚で、リアルタイムのスポーツ観戦が楽しめます。さらに RoboPlay は、ロボットを使って実際に競技場にいる選手のように試合に参加することを可能にします。こうした新技術を採用し、ホテルは人気スポーツ イベント体験を宿泊者に提供するようになります。またホログラフィー (3 次元像再生技術) による HoloReal スポーツ体験を独占契約で提供して集客を図るホテルも出現するでしょう。
7. 考えるホテル
AI —人工知能の利用、デジタル コンシェルジュ、将来的に実現可能な次世代思考マシン、データを読み込むことができるロボットや車、客室、ディバイスは、未来型ホテルでは不可欠な要素です。また自立型思考マシンは旅行の楽しみ方に大きな変化をもたらすでしょう。人工知能が経営し、ロボットや映像化された仮想スタッフが働くホテルも誕生するかもしれません。