観光、文化など6分野のイメージを調査、日本は7位


Anholt-GfK 国家ブランド指数 2016年の結果を発表

日本は7位へ後退

 

 GfKは輸出、統治、文化、人々、観光、移住・投資の6分野における50カ国に対するイメージの調査の結果を発表した。詳細は以下の通り。

 GfKは、Anholt-GfK 国家ブランド指数 (NBISM) 2016年調査の結果を発表しました。当調査は、世界50カ国のブランド力を測定したもので、詳細な国家ブランディング調査としては世界最大規模です。2016年の結果をみると、上位10カ国すべてにおいて評価(スコア)が前年から低下しました。前年からのスコアの差が1.00ポイントより大きい場合は強度の変化と捉えられますが、上位10カ国をみると、イギリス、アメリカ合衆国がこの大幅な低下を経験しました。また、ドイツ、日本、フランスをはじめ6か国が中度(スコア変化0.51-1.00)の低下となりました。なお、2015年は上位10カ国中8カ国でスコアが上昇しており、2016年は傾向が一転したといえます。

 当国家ブランド指数調査を2005年に考案したサイモン アンホルト教授は次のように述べています。「国のブランド力が今回のように大きく変化するのは非常にまれなことです。このような大きな変化に強く影響するのは、国際紛争や人道問題についてのその国の姿勢を人々がどう受け止めたか、という点です。その国の資産が大きく増減した、または、その国が何らかの良い成果を上げた、といったことではここまでの大きな変化になることはありません。」

 また、GfKのパブリックアフェアーズ&コンサルティング部門のシニア・バイスプレジデントであるバディム ボロスは次のように述べています。「国家がどのように受け止められているかは、長年の積み重ね(人や地域のステレオタイプや自然や社会環境のイメージなど)と、短期的な事象(ポジティブまたはネガティブなニュース報道や印象的なイベントなど)の双方が影響します。インバウンドの旅行客や投資を増やすことに役立つポジティブな資産をプロモーションすることで、どの国も成長する可能性があります。しかし、評価が劇的に変わるには時間を要します。本調査は国の現在のイメージ、勢い、潜在力を測っており、堅固な国家ブランド力をつくり上げるための手助けとなります。」

 NBIスコアが低下したからといって、全体的なランキングがただちに大きく変わるというわけではありません。アメリカ合衆国、ドイツ、イギリスはそれぞれ昨年の順位を維持し上位3カ国となっています。ただし、アメリカ合衆国のリードは僅かなもので、来年はドイツが首位に返り咲くかもしれません。また、今年4位となったカナダは3位のイギリスのすぐ後に迫っています。

 日本の状況をみると、昨年の6位から7位へと1つ順位を落としました。国家ブランド指数の詳細分野(輸出、統治、文化、人々、観光、移住・投資)をみると、最も順位が高かった分野は“輸出”で昨年と同様の2位を獲得しました。一方、最も順位が低かった分野は“統治”で14位となりました。また、フレンドリーさや雇用したいかなどを尋ねた“人々”は昨年から3つ順位を下げ13位となり、日本のトータル順位の低下要因となりました。

 

Anholt-GfK 国家ブランド指数 (NBISM )2016年調査について

 輸出、統治、文化、人々、観光、移住・投資の6分野における50カ国に対するイメージを調査。2016年は18歳以上の20,353人を対象に20カ国でインターネット調査を実施した。各国のオンライン人口統計の属性(性別、年齢、教育)構成比にあわせウェイトバックを実施。加えて、アメリカ合衆国、イギリス、南アフリカ、インド、ブラジルでは人種・民族を考慮した。調査実施期間は2016年7月7日~25日。

調査対象国

北米: アメリカ合衆国、 カナダ、キューバ

西ヨーロッパ: イギリス、 ドイツ、フランス、イタリア、 スペイン、 アイルランド、 スコットランド、スウェーデン、デンマーク、オランダ、スイス、フィンランド、オーストリア、ベルギー、ギリシャ、北アイルランド

中央・東ヨーロッパ: ロシア、ポーランド、チェコ共和国、ハンガリー、トルコ、カザフスタン

アジア・パシフィック: 日本、 韓国、中国、インド、タイ、インドネシア、シンガポール、台湾、オーストラリア、ニュージーランド

ラテンアメリカ: アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、チリ、ペルー、コロンビア、エクアドル

中東/アフリカ: アラブ首長国連邦、イラン、エジプト、サウジアラビア、南アフリカ、ケニア、ナイジェリア、カタール

gfk

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